研究課題/領域番号 |
05454163
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
山岡 和子 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 生命情報研究部門, 研究員 (00124438)
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研究分担者 |
奈良 清光 三菱化学, 生命科学研究所, 研究員 (40260327)
永井 克孝 三菱化学, 生命科学研究所, 所長 (80072974)
渡辺 由美子 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 生命情報研究部門, 研究員 (90250216)
笠原 浩二 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 生命情報研究部門, 研究員 (60250213)
佐内 豊 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 生命情報研究部門, 研究員 (40150289)
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キーワード | 腫瘍化増殖因子 / ガレクチン / ガングリオシド / シアル酸転移酵素 / ゲノム |
研究概要 |
1]腫瘍化増殖因子TGF_γ2の活性発現に分子内S-S結合は必須である。 腫瘍化増殖因子TGF_γ2のアミノ酸配列は、14K galactoside binding lectin(galectin-1)と相同であるが、糖結合活性は検出されない。しかしながら精製TGF_γ2をメルカプトエタノールで還元すると、TGF活性が消失するとともにgalectin-1活性が出現した。そこで、両活性の変換機構を明らかにするために、TGF_γ2の分子内S-S結合位置をTOF-質量分析法にて決定した。この知見にもとづき、TGF_γ2の活性発現機構の解析をすすめている。 2]GD3合成酵素はGQ1bの発現を制御する。 ガングリオシド代謝におけるGD3合成酵素(α2,8シアル酸転移酵素)の意義を明らかにするために、遺伝子組換えたんぱく質を用いて基質特異性を調べた。その結果、本酵素たんぱく質は、本来のGD3合成酵素活性(GM3→GD3)の他に、これまで他の酵素の働きによると考えられていたGQ1b合成活性もあわせ持つことを見いだした。そこで、実際に細胞内でこの活性が起きるか否か検証するために、GD3合成酵素およびGQ1b合成酵素を欠損するSwiss3T3細胞にGD3合成酵素cDNAをtransfectionし、ガングリオシドプロフィールの変化を調べた。その結果、細胞ガングリオシド画分にGQ1bの存在を認めた。以上の結果は、細胞の増殖および活性化、神経突起進展作用などの生理活性ガングリオシドであるGD3とGQ1bの発現が同一の酵素によって制御されることを示唆した。 3]GD3合成酵素遺伝子のマッピング ガングリオシド発現の遺伝子支配の機構を明らかにするために、ヒトGD3合成酵素遺伝子座(Siat8)をFISH法にて調べた結果、第12染色体上の12P11.2-12P12.1にマップされた。さらに、マウスGD3合成酵素の詳細な位置を野性マウスとの雑種交雑パネルを用いて決定した。その結果、D6Mit52-(2.8cM)-SIAT8-(4.3cM)-D6Mit25の位置にマップできた。以上の結果は、ヒト第12染色体短腕該当遺伝子領域とマウス第6染色体SIAT8遺伝子領域とがsyntenicな関係にあることがわかった。
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