研究課題/領域番号 |
05454167
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 神戸大学 (1994) 福井医科大学 (1993) |
研究代表者 |
山村 博平 神戸大学, 医学部, 教授 (90030882)
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研究分担者 |
丸山 普吾 福井医科大学, 医学部, 助手 (90262633)
柳 茂 神戸大学, 医学部, 助手 (60252003)
稲津 哲也 福井医科大学, 医学部, 助手 (00242587)
谷口 隆信 福井医科大学, 医学部, 助手 (60217130)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | Syk / チロシンキナーゼ / Lyn / インターロイキン2 / PI3キナーゼ / PLCγ / トロンビン |
研究概要 |
我々が発見したSH2を2つ持つユニークなチロシンキナーゼであるSykの生理機能について研究を行った。当初6年度に行う予定のB細胞の培養細胞を用いてのジーンターゲティングに5年度に成功したので,このSykの変異体を用いて研究を進めることができたのでおおむね計画どうり進めることが出来た。1)Sykの生理的基質に関しては血小板の系においてGTPアーゼ活性化蛋白質であるGAPを燐酸化しその活性を制御している可能性が高いことを明らかにした。さらにトロンビン刺激によってSykは速やかにサイトスケルトン分画に移行しそこで細胞内情報伝達に深く関わるPI3キナーゼを燐酸化し活性化することを明らかにした。またB細胞Syk変異体を用いてPLCγをSykが燐酸化することを明らかにした。15EA02:2)SykおよびLynをCOS細胞に発現させてSrcファミリーとSykの相互関係を調べたところLyn(Fyn)がSykを燐酸化し活性化する能力のあることを確認した。さらに変異B細胞の実験においてもこの関係が認められた。また細胞内カルシウムの増加に関してはSykによる燐酸化がより直接関係していることが明らかとなった。3)Sykの自己燐酸化部位の同定を試みたが現在少なくともN末より518番目のチロシンが燐酸化されることを確認したがほかの部位も燐酸化されている可能性がありさらに検討中である。またSrcファミリーおよびセリン/スレオニンキナーゼによる燐酸化部位の同定に関しては現在さらに検討中である.4)この外次のことも明らかにした。インターロイキン2による末梢リンパ球の Sykの活性化においては細胞内のカルシウムの増加は伴わない。またイオノフォアによる血小板のSykの活性化が起こることも明らかにした。さらにトロンビンによるSykの活性化においてSykはサイトスケルトン画分に速やかに移行するが2段階の過程即ち早期のアクチン細胞骨格の再構成並びに後期のGPIIb/IIIaを介する血小板凝集と関連することを明らかにした。
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