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1993 年度 実績報告書

血管内リンパ腫、いわゆる“NAE"、の発生母細胞の追跡:免疫グロブリンの再構成遺伝子クローニングによる解析

研究課題

研究課題/領域番号 05454174
研究機関新潟大学

研究代表者

阿部 聰  新潟大学, 脳研究所, 助手 (90202663)

研究分担者 薄井 宏  新潟大学, 脳研究所, 助手 (20192510)
熊西 敏郎  新潟大学, 脳研究所, 教授 (40018601)
キーワード血管内リンパ腫 / Neoplastic angioendotheliosis / 悪性リンパ腫 / B細胞リンパ腫 / 免疫グロブリン / 遺伝子再構成 / 脳腫瘍 / がん抑制遺伝子
研究概要

当初の研究計画に沿って、NAEの凍結保存組織およびフォルマリン固定組織を用いて、それらの免疫グロブリン遺伝子およびcDNAのクローニングを行なった。
免疫グロブリンH鎖の検索では、組織DNAよりH鎖のV領域およびJ領域フレームワークのconsensus配列をprimerとしてPCR法を行ない、増幅したPCR産物をクローン化し、dideoxy法にて塩基配列を決定した。この検索により3症例で免疫グロブリンH鎖CDR-III(complementarity-determining region-III)の塩基配列が得られ、うち1例では大多数が同一クローンであった。その配列はRT-PCR法により得られた同一症例のcDNAの塩基配列と一致した。他の2例では数クローンが採取された。これは組織中に混在する反応性B細胞のものと考えられた。これらの配列が腫瘍細胞自体のH鎖再構成遺伝子のそれか否かを決定するために、再構成H鎖遺伝子の固有かつユニークな配列であるCDR-III部分をprobeとして合成しIn situ hybridization法を行ないつつある。現在同様の方法で対象の全症例についてH鎖、L鎖共に再構成遺伝子およびcDNAのクローニングを行なっており、平成6年度中に報告する予定である。
また、NAE腫瘍細胞の増殖に関与する因子を検討する目的で、PCR-SSCP法を用いてp53がん抑制遺伝子の検索を行なったが、上記3例では変異を認めなかった。一方、脳原発リンパ腫では5例中2例で、全身性リンパ腫では3例中1例でp53遺伝子変異が検出されており、NAEと他のリンパ腫あるいは種々の脳腫瘍とを、より詳細に比較検討するためにさらに数症例を検索中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Zhang,S.: "p53 gene mutations in pontine gliomas of juvenile onset." Biochem.Biophys.Res.Commun.196(2). 851-857 (1993)

  • [文献書誌] 古閑 比佐志: "脳原発悪性リンパ腫におけるp53癌抑制遺伝子の変異" Brain Tumor Pathol.10(Supple). 27 (1993)

  • [文献書誌] 川崎 隆: "頭蓋咽頭腫における増殖関連抗原とp53癌抑制遺伝子の検索" Brain Tumor Pathol.10(Supple). 43 (1993)

  • [文献書誌] 古閑 比佐志: "グリオーマ培養株におけるp53癌抑制遺伝子変異の解析" Human Cell. 6(Supple). 42 (1993)

  • [文献書誌] 古閑 比佐志: "グリオーマにおけるp53の免疫組織化学と遺伝子解析" 第34回日本神経病理学会抄録. 13(Supple). 37 (1993)

  • [文献書誌] 張 淑靖: "若年発症Gliomaにおけるがん抑制遺伝子p53の突然変異の解析" 第34回日本神経病理学会抄録. 13(Supple). 37 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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