1993 年度実績報告書

顆粒球・単球系細胞特異的遺伝子および産物の構造と機能について

研究課題

研究課題/領域番号	05454183
研究機関	大分医科大学
研究代表者	山本俊輔大分医科大学, 医学部, 教授 (90040188)
研究分担者	秋月真一郎大分医科大学, 医学部, 助手 (80159334)
キーワード	MS2 / metalloproteinase / collagenase / disintegrin / CD14 / CDNA / Kupffer / monoclonal antibody
研究概要	MS2について:1.ヒトMS2(hMS2)cDNAの分離:hMS2 cDNAの全塩基配列を解読した。また、膜貫通部を欠如するcDNAを分離した。 2.マウスMS2(mMS2)およびhMS2のリコンビナント蛋白(RP)の分離:メタロプロテイナーゼ(MTP)ドメインと血小板凝集阻止因子(PA1)ドメインの両者あるいは各々のドメインなど種々の領域のRPを大腸菌、哺乳動物、昆虫細胞系ベクターに発現させた。現在のところ大腸菌のもの以外は発現量が少なくその増加を試みている。また、大腸菌のRPは封入体に含まれ変形剤を用いて溶解するため、refoldingの問題が起こった。 (A).MTP蛋白の酵素活性検索:タイプIVコラーゲン、ゼラチン、合成螢光基質(Max-Planck研究所Gram博士より供与)などを用いコラゲナーゼ活性を検索しているが、なお、活性を証明するに至っていない。これには活性化が必要であることやrefoldingをよく行わせることなどが考えられ現在種々検討を行っている。哺乳動物および昆虫細胞系のRPは量的に少ないことと、内在性のコラゲナーゼ活性が高く、対照と有意差が得られていない。 (B).単クローン抗体(mAb)作成:mMS2およびhMS2のRPを用いてmAbを作成した。これらのmAbを用いてマウスでは常在Mphiや腹腔炎症細胞、種々の細胞株の、ヒトでは末梢血白血球および細胞株におけるMS2発現をPAPで検討した。これによりMphi、好中球およびMphi細胞株で発現が認められた。 CD14について:1.ウサギCD14cDNAの分離解析:ウサギのCD14cDNAを分離し、全塩基配列を解読した。 2.CD14および抗マウスCD14.mAb作成と利用:マウスCD14 cDNAを用いて大腸菌に発現させ、rCD14を分離した。CD14をラツトに免疫し抗マウスCD14mAbを動物では国内外ではじめて作成することに成功した。このmAbとcDNAを用いてLPS刺激に伴うCD14の発現様式をKupffer細胞(KC)と腹腔Mphiで比較検討した。KCのCD14はLPS刺激により著明に発現増強し、常時強くCD14を発現し、LPS刺激では発現増強が軽度な腹腔Mphiとは著しく性質が異なることを明らかにした。KCではmRNAの発現増加が蛋白の発現に先行して見られることから、貯蔵されたCD14の発現ではなく、積極的な生産が考えられた。現在さらにmAbを用いてフローサイトメトリーによるKCと腹腔Mphiの解析を行っており、KCは特有な小集団のMphiに由来する可能性がある結果を得た。

研究成果
(11件)

すべてその他

すべて文献書誌 (11件)

[文献書誌] Matsuura,K.: "Identification of a tissue-specific regulatory element in the murine CD14 gene" Journal of Biological Chemistry. 267. 21787-21794 (1992)
[文献書誌] 山本俊輔: "マクロファージ特異的分子" 臨床免疫. 24. 1047-1056 (1992)
[文献書誌] Watanabe,S.: "Regulation by dietary essentisl fatty acid balance of tumor necrosis factor production in mouse macrophages" Journal of Leukocyte Biology. 53. 151-156 (1993)
[文献書誌] 山本俊輔: "骨粗鬆症におけるオステオホンナンの分子病理学的研究" 臨床成人病. 23. 115-117 (1993)
[文献書誌] 山本俊輔: "マクロファージ活性化調節の分子機構" 臨床免疫. 25. 1457-1483 (1993)
[文献書誌] Yamamoto,S.: "Structure the osteopontin gene and promoter" Annals New York Academy of Sciene. ((in press))
[文献書誌] Matsuura,K.: "Upregulation of mouse CD14 expression in Kupffer cells by Lipopolysaccharide" (in press).
[文献書誌] Watanabe,S.: "Advances in Polyunsaturated Fstty Acid Research" Elsevier Science publishers B.V., 2 (1993)
[文献書誌] Yamamoto,S.: "Leukocyte Typing V White Cell Differentiation Antigens" Springer Verlag 10(in Press), (1994)
[文献書誌] Yamamoto,S.: "Leukocyte Typing V White Cell Differentiation Antigens" Springer Verlag 10(in press), (1994)
[文献書誌] 山本俊輔: "好中球" 中山書店,10(印刷中), (1991)

1993 年度 実績報告書

顆粒球・単球系細胞特異的遺伝子および産物の構造と機能について

研究代表者

山本 俊輔 大分医科大学, 医学部, 教授 (90040188)

研究成果

[文献書誌] Matsuura,K.: "Identification of a tissue-specific regulatory element in the murine CD14 gene" Journal of Biological Chemistry. 267. 21787-21794 (1992)

[文献書誌] 山本 俊輔: "マクロファージ特異的分子" 臨床免疫. 24. 1047-1056 (1992)

[文献書誌] Watanabe,S.: "Regulation by dietary essentisl fatty acid balance of tumor necrosis factor production in mouse macrophages" Journal of Leukocyte Biology. 53. 151-156 (1993)

[文献書誌] 山本 俊輔: "骨粗鬆症におけるオステオホンナンの分子病理学的研究" 臨床成人病. 23. 115-117 (1993)

[文献書誌] 山本 俊輔: "マクロファージ活性化調節の分子機構" 臨床免疫. 25. 1457-1483 (1993)

[文献書誌] Yamamoto,S.: "Structure the osteopontin gene and promoter" Annals New York Academy of Sciene. ((in press))

[文献書誌] Matsuura,K.: "Upregulation of mouse CD14 expression in Kupffer cells by Lipopolysaccharide" (in press).

[文献書誌] Watanabe,S.: "Advances in Polyunsaturated Fstty Acid Research" Elsevier Science publishers B.V., 2 (1993)

[文献書誌] Yamamoto,S.: "Leukocyte Typing V White Cell Differentiation Antigens" Springer Verlag 10(in Press), (1994)

[文献書誌] Yamamoto,S.: "Leukocyte Typing V White Cell Differentiation Antigens" Springer Verlag 10(in press), (1994)

[文献書誌] 山本 俊輔: "好中球" 中山書店,10(印刷中), (1991)

1993 年度実績報告書

山本俊輔大分医科大学, 医学部, 教授 (90040188)

[文献書誌] 山本俊輔: "マクロファージ特異的分子" 臨床免疫. 24. 1047-1056 (1992)

[文献書誌] 山本俊輔: "骨粗鬆症におけるオステオホンナンの分子病理学的研究" 臨床成人病. 23. 115-117 (1993)

[文献書誌] 山本俊輔: "マクロファージ活性化調節の分子機構" 臨床免疫. 25. 1457-1483 (1993)

[文献書誌] 山本俊輔: "好中球" 中山書店,10(印刷中), (1991)