研究概要 |
MS2について:1.マウスMS2(mMS2)およびヒトMS2(hMS2)のメタロプロテイナーゼ(MTP)およびジスインテグリン(DI)ドメイン蛋白を合成分離した。DIの抗血小板凝集作用を証明した。この活性が抗MS2抗体で阻止されることを確認した。mMS2およびhMS2のMTPおよびDI蛋白に対する単クロン(mAb)を作成した。MS2が単球系細胞および好中球に特異的に発現することを確認した。2.hMS2 cDNAの全塩基配列を解読した。分泌型hMS2 cDNAを分離した。3.mMS2のMφ細胞株における特異的発現およびLPSによる発現増強のシス領域をCATアッセイで検討し各々複数の領域の存在を確認した。 CD14について:1.ウサギCD14 cDNAを分離し、全塩基配列を決定した。2.リコンビナントCD14(rCD14)および抗マウスCD14ポリクロン抗体およびmAbを作成した。PAP法やFACSでCD14が顆粒球・単球系細胞にのみ発現することを証明した。mAbがin vitroでLPSによるMφ細胞株からのTNF遊離を阻止することを観察した。3.mCD14REと結合する三種のDNA結合蛋白を観察した。4.Kupffer細胞(KC)とMφのCD14,CD18,サイトカインのmRNA発現を検討し、KCにおけるCD14はLPSの清掃細胞としても機能することを明らかにした。5.リピドIV_AとRhodobacter spheroides lipid A (RSLA)のLPSとCD14移入細胞を用いてCD14がLPSとCD14関連性のLPSシグナル伝達因子との結合を助長することによりLPSへの感受性を促進させることを示唆する成績を得た。6.mCD14のN末端から109個のペプチドを発現させHPLCで精製した。7.マウス腹腔MφはLPS刺激によるTNFα産生は抗mCD14抗体で阻止されないことを観察した。8.メタロチオネイン遺伝子5領域をプロモーターとする膜型と非膜型CD14を発現するトランスジェニックマウス(TM)を作成した。TMの肝と小腸にmCD14の発現を観察した。非膜型TMでは末梢血遊離mCD14値が正常および膜型TMのそれに比べ有意に高く、また、LPS投与時のTNFα値は有意に低いことを観察した。
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