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1993 年度 実績報告書

C型インフルエンザウイルスの分子進化

研究課題

研究課題/領域番号 05454198
研究機関山形大学

研究代表者

中村 喜代人  山形大学, 医学部, 教授 (00125775)

研究分担者 村木 靖  山形大学, 医学部, 助手 (00241688)
本郷 誠治  山形大学, 医学部, 助手 (90229245)
キーワードC型インフルエンザウイルス / 分子疫学 / 進化系統樹 / 遺伝子交雑
研究概要

平成5年度の研究によって、C型ウイルスのヘムアグルチニン・エステラーゼ(HE)蛋白をコードする遺伝子分節の分子系統樹が完成した。結論は次のように要約される。1)1988年から92年末までに山形市で分離されたウイルスのHE遺伝子は、2つの系統(I、II)に大別できる。ところが92年末に第3の系統(III)が加わり、現在では、3つの系統のHE遺伝子を持つウイルスが混在している。2)各系統に似たHE遺伝子を持つウイルスは、本邦の他の地域や海外でも分離されており、Iは山形/81やブタ/北京/81株に、IIはヨハネスブルグ/66(JHG/66)や愛知/81株に、IIIはミシシッピー/80(MS/80)や奈良/82株に酷似している。
他の遺伝子分節についても系統樹の作成を試みており、すでに次のような知見を得ている。1)1992年末に系統IIIのHE遺伝子を持つウイルスが山形市で初めて分離された。ところが同株のPB1遺伝子は、MS/80や奈良/82株よりむしろ山形/81株に似ていた。従って、1992年以降山形市で新たに蔓延し始めたウイルスは、系統IIIとIの間で生じた遺伝子交雑体と推測される。2)系統IIの代表株(山形/9/88)株のNS遺伝子は、JHG/66や愛知/81株よりむしろ山形/81株に似ていた。1988年以来山形市に居座っている主流の1つも遺伝子交雑体である可能性を示唆する知見と言える。
これらの成績から、C型ウイルスの生態に遺伝子交雑が大きな影を投げかけている可能性がでてきた。複数の系統が狭い地域に絶えることなく共存しているという同ウイルス独自の存在様式に基ずくと思われ、A型やB型には見られない際立った特徴として浮かび上がってくるものと期待している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 菅原勘悦: "Construction of antigenic map of the hemagglutinin-esterase protein of influenza C virus" Journal of General Virology. 74. 1661-1666 (1993)

  • [文献書誌] 西村秀一: "The ability of influenza C virus to generate cord-like structures is influenced by the gene coding for M protein" Virology. 198(印刷中). (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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