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1994 年度 実績報告書

単純ヘルペスウイルスの病原性発現の分子機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05454199
研究機関名古屋大学

研究代表者

西山 幸廣  名古屋大学, 医学部, 教授 (60115615)

キーワード単純ヘルペスウイルス / 病原性 / プロテインキナーゼ / マクロファージ
研究概要

1.単純ヘルペスウイルス(HSV)2型US3プロテインキナーゼ(PK)の標的蛋白質の同定
HSV2型のUS3PKはVero細胞でのウイルス増殖には重要な役割を担っていない。しかし、US3遺伝子の不活化によりマウスでの病原性(毒力)は著しく減弱し、また腹腔マクロファージやマクロファージ様細胞RAW細胞での増殖性は強く抑制される。この機構を明らかにするため、US3PKの標的蛋白質の同定を昨年に続き進めた。感染細胞を核と細胞質に分画しIn vitoリン酸化反応により解析した結果、野性株感染Vero、RAW細胞の細胞質、核の両分画において非感染細胞、US3不活化ウイルス感染細胞にはみられない76K蛋白質のリン酸化が認められた。モノクローナル抗体を用いた免疫沈降反応、Western bIot法による解析の結果、この蛋白質はウイルス遺伝子UL12にコードされるアルカリヌクレアーゼであることが明らかになった。また、このリン酸化はアルカリヌクレアーゼの安定性と関係していることが示唆されたが詳細は今後の課題である。
2.単純ヘルペスウイルス(HSV)の毒力とマクロファージ様細胞株での増殖性についての検討
US3不活化ウイルスを用いた観察から、マクロファージでの増殖性がHSVの病原性を決定する重要な要因となっていることが示唆された。そこで毒力の異なる各ウイルス株についてマクロファージ様細胞株での増殖性について調べ、両者の相関性について検討した。1)1型と2型に分けて比較すると、マウスに対する毒力とRAW細胞での増殖性には明らかな相関が認められた。2)低moiでみられる1型弱毒ウイルスのRAW細胞での増殖制限は抗インターフェロン抗体の添加によりほとんど解除された。以上の結果、マクロファージ様細胞株RAW細胞との相互作用を調べることにより、HSVのマウスに対する病原性がかなりの程度予測できることがわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Daikoku,T.et al.: "Identification of a target protein of US3 protein kinase of HSV‐2" Journal of General Virology. 75. 2065-2068 (1994)

  • [文献書誌] Tsurumi,T.et al.: "Fwther characterigation of the interaction between EBV DNA polywerase catalytic subunit and its accessory subunit." Journal of Virology. 68. 3354-3363 (1994)

  • [文献書誌] Yamashita,Y.et al.: "Rapid degradation of the heavychain of class/MHC autiglusin the endoolasmic reticulum of HCMV‐infected cells" Journal of Virology. 68. 7933-7943 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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