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1993 年度 実績報告書

NODマウスの自己免疫性糖尿病発症機構及び発症阻止に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05454207
研究機関大阪大学

研究代表者

菊谷 仁  大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (80161412)

キーワード自己免疫疾患 / I型糖尿病 / 自己抗原 / NODマウス / 組織適合性抗原 / T細胞
研究概要

自己免疫疾患のモデルマウスであるNODマウスは、自己免疫性膵島炎に引き続き糖尿病を発症し、ヒトI型糖尿病の発症機構を探るうえで非常に有用なマウスである。今回、(1)我々が樹立した膵島反応性T細胞が認識する、膵島炎成立に関わる自己抗原の単離精製を試み、さらに、(2)NOD-scidマウスをレシピエントとして膵島炎発症から糖尿病発病に至るまでに必要な細胞集団および効率の良い膵島破壊に必要な細胞集団の決定を試みた。その結果、(1)マウス膵島細胞膜画分より膵島反応性T細胞ハイブリドーマの反応性を指標にSDS-PAGEおよびHPLCを用いて精製を行ったところ、5種のクローンのうち2種のクローンはそれぞれ異なる抗原あるいは抗原エピトープを認識していることが判明した。さらに、このうち1つのクローンが認識するペプチドの一部アミノ酸配列を決定した。(2)NOD-scidマウスを作製し、そのマウスをレシピエントとして用いた糖尿病再構築系を確立した。この系を用い、NODマウスのT細胞亜集団およびCD4T細胞クローンをNOD-scidマウスに移入し、糖尿病の誘導を試みたところ、NODマウスのCD4T細胞の移入では糖尿病を誘導することができたがCD8T細胞の移入では糖尿病を誘導できなかった。また、我々が樹立したT細胞クローンを単独で移入した場合、ある程度の膵島炎とβ細胞破壊を誘導できたが、糖尿病には至らなかった。一方、これらT細胞クローンを混合して移入したところ、非常に強い膵島炎と糖尿病を効率よく誘導できた。以上の結果は、自己反応性CD4T細胞だけでも膵島破壊がおこるが、糖尿病の発症には膵島細胞上の多様な自己抗原エピトープと反応する自己反応性T細胞集団が必要であることを示唆している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yukawa,K.,T.Yasui,H.Kikutani,et al.: "Epoc-l:a POU-domain gene expressed in murine epidermal basal cells and thymic stromal cells." Gene. 133. 163-169 (1993)

  • [文献書誌] Nagasawa,T.,H.Kikutani,and T.Kishimoto: "Molecular cloning and structure of a novel pre-B growth stimulating factor(PBSF)." Proc.Natl.Acad.Sci.,USA. (in press). (1994)

  • [文献書誌] Nagasawa,T.,T.Kaisho,H.Kikutani,et al.: "Generation and characterization of a monoclonal antibody that inhibits stromal cell-dependent B lymphopoiesis." J.Immunol.(in press). (1994)

  • [文献書誌] Fujiwara,H.,H.Kikutani,S.Suematsu et al.: "The absence of IgE antibody-mediated augmentation of immune responses in CD23-deficient mice." Proc.Natl.Acad.Sci.,USA. (in press). (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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