(1)抗マウスCD48(CD2リガンド)、CD80(B7-1)、CD86(B7-2)、CD29(β1)、CD49a(α1)、CD49b(α2)、CD49e(α5)、CD49f(α6)、CD40、CD40リガンド、Fas リガンド抗体、抗ラットCD86抗体、及び抗ヒトCD86、Fas リガンド抗体の作製に成功した。(2)抗LFA-1/ICAM-1、VLA-4/VCAM-1、CD2/CD48、あるいはCD80/CD86抗体の投与により、同種移植心、小腸、膵ラ島に対する寛容の導入が可能であった。(3)同種移植心に対する寛容は、抗LFA-1/ICAM-1投与では主にアロクラスI反応性CD8陽性T細胞の不活化によるのに対し、抗CD2/CD48の場合にはアロクラスII反応性T細胞のTh2型への偏りによりアロクラスI反応性CTLの誘導が阻害されており、また、抗CD80/CD86の場合にはクラスII反応性CD4陽性T細胞の不活化及びTh2偏向によるといったように、誘導法により異なる機序の関与が示唆された。(4)抗CD80/CD86抗体の投与により、骨髄移植後の急性GVHDの発症が阻止された。(5)抗LFA-1/ICAM-1抗体の投与により、マウス及びラットコラーゲン関節炎の系でコラーゲン特異的な寛容の成立による発症阻止が可能であった。(6)抗LFA-1/ICAM-1抗体の若年期における短期投与により、NODマウスにおける自己免疫性糖尿病発症の永続的阻止が可能であった。(7)抗CD80/CD86抗体の投与により、(NZB x NZW)F1マウスにおける自己抗体の産生及び腎病変が阻止された。(8)抗IL-12抗体の投与により、実験的自己免疫性ブドウ膜炎の発症が阻止され、その後のchal lengeにも抵抗性の寛容が成立した。(9)IL-12 antagonistであるIL-12p40遺伝子の導入により同種移植筋芽細胞の拒絶が抑制された。(10)IL-12p40遺伝子の導入により、同時に導入した遺伝子産物(β-gal)に特異的なCTLの誘導が抑制された。
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