研究課題/領域番号 |
05454226
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
多田 學 島根医科大学, 医学部, 教授 (80127521)
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研究分担者 |
小栗 哲久 島根医科大学, 医学部, 助手 (90263516)
阿部 美代子 島根医科大学, 医学部, 助手 (40177043)
岸本 拓治 島根医科大学, 医学部, 助教授 (00116394)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 児童 / 生徒 / 成人病 / コミュニティー / 予防 |
研究概要 |
近年、児童・生徒は知育偏重教育の中で、勉強に追われる生活が増加し、生活リズムの乱れ・栄養のアンバランス・運動不足と肥満・体力の減少など成人病予備群の増加が懸念されている。学校・家庭・行政の協力により、子供たちの生活を見直すなかで健全な生活リズムを確立することを目的に各種の調査とともに対策を実施した。人口約1万人のH町に存在する3小学校と1中学校を対象校とし、血圧・総コレステロール・HDL・貧血・肥満などに関する健診と生活実態・疲労自覚症・小児成人病対策の知識などに関するアンケート調査を実施した。また、小児成人病に関する副読本を作成し、保健教室を各学級で実施した。主な結果は、1995年総コレステロール値高値者率は男子7.4%・女子12.7%、動脈硬化指数高値者率は男子7.8%・女子14.9%であった。1991年からの推移は双方の値ともに大きな変動はなかった。しかし、1991年に小学5年生であった同一集団の1991年と1994年の推移は、総コレステロール値高値者率・動脈硬化指数高値者率のそれぞれ、13.0%から6.8%、11.2%から6.8%と低下した。疲労自覚症は、登校時の訴え率が下校時よりも高かった。この傾向は1991年の調査からであり、夜更し・睡眠不足などの生活リズムの乱れが要因と考えられる。食生活などの実態調査では、魚類・緑黄色野菜などの摂取頻度が低い傾向が見られた。一方、ジュース・菓子などの嗜好品の摂取頻度は高い傾向が見られた。検診結果に基づく家庭への指導・各学級での保健教室・PTAへの学習活動などを実施した。幾つかの健診結果に改善傾向が見られ、知識も豊富化されていた。また、児童・生徒のみならず保護者の中でも活動に対する理解が広まったことは将来へ向かって多くの評価すべき点が認められた。しかし、生活に根ざした健康阻害要因は、依然多く存在しており、今後も学校・家庭・行政の協力のもとに活動を継続していくことが重要と思われる。
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