研究課題/領域番号 |
05454228
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
荻野 景規 山口大学, 医学部, 助教授 (70204104)
|
研究分担者 |
石山 広信 大塚製薬, 徳島研究所, 研究員
小林 春男 山口大学, 医学部, 助手 (00127763)
芳原 達也 山口大学, 医学部, 教授 (10116501)
|
キーワード | 水酸化亜鉛 / 亜鉛 / スーパーオキシド / カルシウムイオン / プロティンキナーゼC / 受容体 / 好中球 |
研究概要 |
20%カゼインのラット腹腔内投与によって得られた好中球を用いて、水酸化亜鉛や亜鉛などによりスーパーオキシドの産生がどのような影響を受けるかを検討した。水酸化亜鉛は、用量依存性に好中球のスーパーオキシド産生を増強させることが判明した。その機序を分析したところ、特異的膜受容体の存在が示唆され、さらに、GTP結合蛋白、プロティンキナーゼC、ミオミン軽鎖キナーゼなどが受容体からNADPHオキシダーゼまでの情報伝達に関与していることが判明した。カルシウムイオンの動態に関しては、数種類のチャンネルブロッカーを用いた検討より、スーパーオキシド産生に抑制的に作用するものに特異性が認められた。さらに、細胞外のカルシウムイオンの細胞内への流入が、刺激と同時に蛍光法によって確認された。酸素電極を用いることによって、スーパーオキシドの産生に伴う酸素の消費が著明に亢進することも認められた。電子顕微鏡による検討では、水酸化亜鉛粒子の貧食がみられ、X線分析装置で亜鉛粒子であることの確認をも行った。水酸化亜鉛は好中球からのNO(一酸化窒素)の産生を抑制することが判明したが、それがスーパーオキシド産生増加によるものか、直接的に作用によるものかは不明である。 亜鉛イオンは、低濃度で好中球のルミノール依存性化学発光の発現形態に影響を与えることがわかった。すなわち、亜鉛により一峰性の発光が二峰性に変化し、特にFMLP刺激でその作用が顕著となる。この現象には膜受容体からプロティンキナーゼCを介した伝達機構とは別の経路の存在が示唆された。
|