研究概要 |
X線体軸断層撮影(CT)による腹部の皮下脂肪厚の測定法を検討し,容易に腹部皮下脂肪厚の測定が出来ることを確認した。そこで,CT撮影と同時に,キャリパーによる皮下脂肪厚,AB両モードの超音波式の皮下脂肪厚の測定を,当大学付属病院と関連病院の患者および健康者のボランテアを対象に開始し十分解析に耐えうる例数のデータが蓄積されつつある。これまでの結果において,CTによる皮下脂肪厚の測定値を基準として,各測定法による測定値との相互の関連性を検討したところ,CTによる測定値とBモードによる測定値,およびCTによる測定値とキャリパーによる測定値との間の相関が高いこと,Aモードの超音波式の皮下脂肪厚は測定値の変動が大きく,簡便な測定法ではあるが精度が劣るであろうことが予測された。 なお,近赤外線半透過方式による体脂肪分の測定はインピーダンス法と同じ次元の生体情報であって,計測されたデータの検討をすすめるなかで,本研究にとって,本質的に意味のない測定法であることが明らかになったため,次年度からの測定法から削除することにした。 一方,CT像からの内臓蓄積脂肪量の測定は,皮下脂肪厚とともに今後の検討に有意義な情報となるので,新たに測定項目に追加すべきであると考える。すでに数例のCTについて,デジタイザーを用いて内臓蓄積脂肪量の測定を試み,その評価が技術的に可能なことが明らかになった。
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