研究概要 |
平成5年度に引き続き皮下脂肪厚の測定データの蓄積をはかった。 X線体軸断層撮影(CT)によって容易に腹部皮下脂肪厚が測定できることを確認し,同時に,キャリパ-による皮下脂肪厚,AB両モードの超音波エコーによる皮下脂肪厚を,当大学附属病院と関連病院の患者および健康者のボランティアを対象に測定し,十分解析に耐えうる40例をこえる例数のデータが得られた。CTによる皮下脂肪厚の測定値を基準として,各測定法による測定値との相互の関連性を検討したところ,CTによる測定値とBモードによる測定値,およびCTによる測定とキャリパ-による測定値との間の相関が高いこと,Aモードの超音波式の皮下脂肪厚は測定値の変動が大きく,精度が劣ることが明らかになった。 なお,近赤外線半透過方式による体脂肪分の測定はインピーダンス法と同じ次元の生活情報であって,計測されたデータの検討をすすめるなかで,本研究にとって,本質的に意味のない測定法であることが明らかになったため,測定法から削除することにした。 一方,CT像からの内臓蓄積脂肪量の測定は,皮下脂肪厚とともに今後の検討に有意義な情報となるので,新たに測定項目に追加した。その結果,CT像から,デジタイザーを用いて測定された内臓蓄積脂肪量と同時に測定したウエスト囲との間に非常に強い相関が認められた。また,ウエスト囲は他の諸計測値および血清生化学検査所見との間に有意な関連を認めた。
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