研究課題/領域番号 |
05454235
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
上羽 昇 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部・病理課, 課長 (60250297)
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研究分担者 |
梶村 計志 大阪府立公衆衛生研究所, 薬事指導部, 研究員 (40250336)
山崎 勝弘 大阪府立公衆衛生研究所, 薬事指導部, 主任研究員 (20250334)
高木 康博 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部・病理課, 主任研究員 (20192148)
前田 章子 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部・ウイルス課, 主任研究員 (40250279)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 抗体産生能 / マウス / 生薬 / 感染防御能 / 漢方方剤 / 高齢期 |
研究概要 |
1)まず初めに高齢期の低下した免疫機能を高める効果をもつ生薬の検索を、高齢マウスの脾臓細胞を培養するin vitro実験系を用いて、単味生薬約140種と数種の漢方方剤について実施した。単味生薬ではシコン、オオギ、トウキの他約十種類が、また方剤では補中益気湯、十全大補湯、麻黄附子細辛湯等が高齢期の免疫機能を賦活することが明らかになった。 2)次にこれらの単味生薬、方剤を経口投与した場合にも同様な効果が見られるか否かを高齢マウスを使ったin vivo実験系を用いて検討した。シコンを経口投与すると抗体産生能が約1.5倍に増強されること、オオギでは約1.2〜2倍程度の増強効果がみられること、さらにトウキでは1.4〜1.8倍程度の増強効果が見られることが明らかとなった。また漢方方剤の麻黄附子細辛湯には約2倍の増強効果が観察されることが明らかとなった。 さらにこれらの単味生薬、方剤がウイルス感染に際して、実際に高齢期の感染防御機能を高めているかを感染実験系で調べた。シコンでは日本脳炎ウイルス接種21日後の対照群の生残率は約66%であったがシコン投与群では86%であった。オオギでは日本脳炎ウイルス接種21日後の対照群の生残率は約5%であったが、オオギを投与した群では55〜90%の生残率であった。トウキでは日本脳炎ウイルス接種21日後の生残率は対照群で約11%であったが、トウキ投与群では約77%であった。いずれも有意に生残率を高めることが明らかとなった。また漢方方剤の麻黄附子細辛湯が高齢期のインフルエンザウイルスの感染に対してどのような防御的効果を示すかを、インフルエンザウイルスをネブライザーで噴霧して吸入感染させ方法を用いて調べた。感染前の予防的投与および、感染後の治療的投与のいずれの投与によっても肺より分離されるウイルス量が明らかに低下しており、麻黄附子細辛湯はインフルエンザウイルスの感染に対して感染防御機能を高めることが明らかとなった。
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