研究課題/領域番号 |
05454245
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
各務 伸一 名古屋大学, 医学部, 講師 (10115545)
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研究分担者 |
相山 敏之 名古屋大学, 医学部, 医員
奥村 明彦 名古屋大学, 医学部, 医員
山田 正樹 名古屋大学, 医学部, 医員
吉岡 健太郎 名古屋大学, 医学部, 助手 (60201852)
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キーワード | C型肝炎 / C型肝炎ウイルス / 構造蛋白 / 免疫応答 / 末梢血リンパ球 / 合成ペプチド / インターフェロンガンマ産生 / HLA |
研究概要 |
最近C型肝炎患者において、細胞性免疫反応が成立していることを示唆する成績が集積している。しかし、病態との関連は充分解明されていない。そこで今回は、C型肝炎ウイルス(HCV)のなかでも免疫原性が高く、T細胞の標的領域の一つとされているcore領域のGSTとの融合蛋白を作製し、慢性HCVキャリア55例の末梢血リンパ球(PBMC)のIFN-γ産生より、免疫反応を観察した。 慢性肝疾患者の56%がコア蛋白に反応したが、GOT、GPT値が正常の無症候性キャリアは14%が反応し、有意差(p<0.05)を認めた。IFN-γ治療を受け、疾患が治癒した患者のコア蛋白に対する反応率75%は、IFN-γ治療が成功しなかった者の反応率(31%)より高かった(p<0.05)。 コア蛋白に反応した25例について、コア領域の塩基配列に基づいて作製した20ずつのアミノ酸から成る9個の合成ペプチドに対するPBMCのIFN-γ産生を検討した。その結果、18例が一つまたは複数のペプチドに反応した。そのうち12例が、親水性塩基を持つペプチド群に反応し、9例がペプチドシークエンス141-160を認識した。興味あることに、HLADR4とw53を有する8例中7例がペプチド141-160に反応した。モノクロナル抗体を用いた阻止試験により、本実験系でのPBMCの反応は、HLADR拘束性で、反応細胞はCD4^+T細胞であることが確認された。 これらの成績は、免疫学的に優位なT細胞エピトープがHLADR分子に関連しながら、HCV core領域に存在することを示している。また、このような研究は、C型肝炎の病態におけるCD4^+T細胞の役割を追求するのに有用であると考えられる。
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