研究分担者 |
森谷 晋 慶應義塾大学, 医学部・消化器内科, 助手 (10220089)
堀江 義則 慶應義塾大学, 医学部・消化器内科, 助手 (70229227)
横山 顕 慶應義塾大学, 医学部・消化器内科, 助手 (50200910)
加藤 眞三 慶應義塾大学, 医学部・消化器内科, 講師 (30177448)
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研究概要 |
ラットの生体肝および灌流肝をもちいて,肝障害の発生機序における酸素ストレスと微小循環障害の役割について検討した。 ラットに急性のエタノール負荷をし,肝微小循環の変化を蛍光色素を標識した赤血球の流動を肝表面から撮像し、画像解析するにより定量的に計測した。ラット肝類洞を通過する赤血球は、20%エタノールを経胃的に急性投与すると急速に増加をきたし血流の亢進が持続したのに対し、40%エタノール投与では急速な血流増加を一時的に認めた後、60分後には血流速度は投与前値を下回り、高濃度アルコールの急性負荷が肝の微小循環障害を惹起する事を明らかにした。さらに,急性エタノール投与時のラット肝表面の蛍光を観察することにより,中心静脈域においてNADHがもっとも高値となることを示した。 また,エンドトキシンによる肝障害モデルにおいて,Rhodamine123の蛍光により肝細胞のミトコンドリアの機能障害が観察されるが,クッパー細胞においてiNOSが誘導され,NOが放出され肝細胞におけるミトコンドリア機能障害をきたすことを明らかにした。さらに,エンドトキシンによる肝障害はNOの合成阻害剤であるL-NMMAにより初期には血流の増加がみられるが,後には微小循環障害をきたすことを明らかにした。また,エンドセリンの受容体の阻害剤を用いることにより,部分的に微小循環障害が抑制されることより,エンドセリンも関与していることが明らかとした。
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