研究概要 |
今年度は,主として,培養血管内皮細胞を用いて呼吸器疾患の病態における接着分子の役割を検討し,以下の成果を得た. 1)in vitroの血管透過性測定システムにおいて好中球依存性の血管透過性亢進が接着分子抗体によって抑制されることを報告し,好中球依存性内皮細胞傷害には,接着分子を介した好中球と血管内皮細胞な密な接着が重要であることを示した. 2)IL-8とTNFαとの協同作用によって好中球依存性に血管透過性を亢進させることを示し,このメカニズムに、TNFαによって誘導された血管内皮細胞上の接着分子の発現が関与していることを明らかにした。すなわちサイトカインが、様々なメカニズムによって血管透過性をmodulateし、high permeability lung edemaの病態に重要な役割を果していることを示した。 3)サイトカインで活性化させ接着分子の発現をおこした血管内皮細胞への接着により好中球は活性化され活性酸素産生能やロイコトリエン産生能が亢進することを示し、接着分子が細胞の活性化や情報伝達に関与していることを明らかにした。 in vitroで接着分子発現を制御する物質の効果を検討した。
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