SA遺伝子が本態性高血圧症の素因遺伝子か否かを調べる

1994 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 05454267
• 研究機関: 滋賀医科大学
• 研究代表者: 岩井 直温 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (30242978)
• キーワード: genetics / hypertension

研究概要

前年度中に、ヒトSA遺伝子の構造、染色体の位置、genetic polymorphismの発見を行い、それらに基づき、association studyを行った。今年度、行った事は以下に箇条書する。
1.Angiotensin converting enzyme(ACE)、angiotensinogen(AGT)、遺伝型と循環器疾患の関連が注目されており、今回の研究のために集めたStudy populationを用いて、ACE遺伝型と心肥大の関連、AGT遺伝型と高血圧の関連を調べた。
2.SA遺伝型のPst I RFLPを、PCR法で検出できるようにするため、この領域の遺伝子をcloningし、周辺塩基配列を決定した。
3.日本人以外の民族においても、SA遺伝子Pst I RFLPと高血圧の関連が認められるのか否かを、Australiaの研究者と共同研究を行った(in submission)。
4.明快な結論のためには、SA遺伝子の機能を明らかにする必要があり、そのためには、transgenic mouseあるいは、SA遺伝子を欠失したmouseの作成が良いと思われる。そこで、SA遺伝子産物にたいする抗体を作成し、ヒトSA遺伝子を、SV40 early promoterの支配下に入れたexpression vectorも作成した。また、targetingのために、mouse SA geneのcloningを始める予定である。

研究成果

• [文献書誌] N.Iwai,et al.: "Human SA gene locus as a candidate locus for essential hypertension" Hypertension. 23. 375-380 (1994)
• [文献書誌] N.Iwai,et.al.: "Molecular Genetics of the SA gene" Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.21. 913-914 (1994)
• [文献書誌] N.Iwai,et al.: "DD genotype of the ACE gene is a risk factor for left ventricular hypertrophy" Circulation. 90. 2622-2628 (1994)
• [文献書誌] N.Iwai,et.al。: "Molecular variants of the AGT gene and Hypertention in a Japanese population" Hypertens。Res。. 17. 117-121 (1994)
• [文献書誌] N.Iwai,et。al。: "AGT gene and blood persure in Japanese" Hypertension. (in press). (1995)
• [文献書誌] N。Iwai,et。al.: "アンジオテンシノーゲン遺伝子と本態性高血圧症" Ther.Res. 15. 2573-2574 (1994)