研究課題/領域番号 |
05454273
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
千田 彰一 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30145049)
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研究分担者 |
西村 敏博 大分大学, 工学部, 助手 (70117406)
宇多 弘次 香川医科大学, 医学部, 副学長 (80107044)
阪本 晴彦 香川医科大学, 医学部, 教授 (60106549)
森田 久樹 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (70145051)
松尾 裕英 香川医科大学, 医学部, 教授 (90028514)
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キーワード | 超音波顕微鏡 / 音響特性 / 弾性特性 / 心筋viability / stunned myocardium / acoustic cover membrane / ischemic preconditioning / 培養心筋細胞 |
研究概要 |
本研究に用いる主要機器は、研究代表者が前年度までに受けた試験研究(B)の助成に基づき試作した超音波生物組織性状計測システムで、その主要本体構成部は超音波顕微鏡(日立製作所製HSAM-500S)である。平成5年度は、まずこのシステムを用いてstaticな検討を行った。 虚血心筋モデル作成動物として、麻酔開胸犬の前下行枝5分間、15分間、30分間、1時間、6時間閉塞後に前下行枝閉塞解除再灌流を行う6群に分類し、各々再灌流後1時間放置し血行動態が安定した状態で心臓を摘出し、心筋ホルマリン固定標本を作成する。ここで15分間閉塞後再灌流した群をstunned myocardiumのモデルと考える。また、閉塞-再灌流を5分ずつ4回繰り返した後、90分閉塞-5時間再灌流を行い、これをischemic preconditioning(IP)効果前処理群モデルと考える。心筋虚血は心内膜側から心外膜側へと拡がることが予想されるため、心内膜側、心外膜側、その中間の3層に区分し光学顕微鏡像、電子顕微鏡像および超音波顕微鏡像による心筋微細構造を検討した上で、音響学的特性および弾性特性の評価を行った。(a)音響学的特性の評価:超音波顕微鏡により上記の如く3層に区分した心筋壁の各層での、音速、超音波減衰量を計測する。(b)弾性特性の評価:先に試作したacoustic cover membrane法を用いて試料の音響インピーダンスを計測し、さらに音速の同時計測から、体積弾性率および密度を求めた。 また凍結切片試料、次に培養心筋細胞での検討が可能な試料支持装置を新たに試作している。ホルマリン固定標本と凍結標本との対比検討をさらに進め、これまでの予備検討で得ている両者の関係を確実なものとし、かつdynamicな組織性状検討が可能なようにcell-box型の特殊試料台の完成を急ぐ予定である。
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