研究概要 |
マウス骨髄細胞、腹腔細胞をIL-3+IL-4存在下に培養すると大量のマウス培養肥満細胞が得られた。 ヒト臍帯血単核球から純化したCD34^+細胞をstem cell factor(SCF)とIL-6存在下で培養すると、培養2週間目よりtryptase陽性のヒト培養肥満細胞が出現し、培養を続けると次第にその頻度が増大した。培養50日目には約60%、100日目には99%に達した。肥満細胞増殖に有効なサイトカインの検討ではSCFは必須であり、IL-6あるいはIL-11点かによりその増殖が著明に促進された。一方、CD34^-細胞分画からは培養肥満細胞は得られないことから、肥満細胞前駆細胞はCD34^+細胞分画に存在することが明らかとなった。このようにして得られた培養肥満細胞は6か月以上の長期にわたって培養可能であり、細胞表面に発現しているFcεRIをIgEと特異抗原あるいはanti-IgEで架橋することによりヒスタミンを放出した。 マウスおよびヒト培養肥満細胞を用いて、細胞表面のFcεRIをIgEと特異抗原あるいはanti-IgEにより架橋後、経時的にRNAを抽出し、種々のサイトカインのmRNAをreverse transcriptase polymerase chain reaction(RTPCR)あるいはNorthern blotting法により測定した。IL-3,IL-4,GM-CSFなどのmRNAが確認された。
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