研究課題/領域番号 |
05454290
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
〓岡 章 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40106498)
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研究分担者 |
中島 祥介 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (00142381)
今中 康文 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (70231165)
杉本 充彦 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80192128)
中島 充 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30183510)
嶋 緑倫 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (30162663)
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キーワード | 血友病 / 第VIII因子 / 第IX因子 / 肝臓 / 移植 / ラット / イヌ |
研究概要 |
1.ヒト肝臓における第VIII因子(FVIII)、第IX因子(FIX)の局在性/産生の証明 (1)ヒト肝におけるFVIII、FIXの局在性:正常肝組織切片を用いてABC法により検討した。FVIIIはsinusoidal enothelial cellに、FIXは、肝細胞に存在することが証明された。 (2)ヒトhepatoma cell中のFVIII、FIX:Hep-G2細胞をV.K存在下に培養・増殖させ、そのhomogenateの上清中のFVIII抗原(FVIII:Ag)をELISA法にて定量した。FIX:Agは直接定量可能であったが、FVIII:Agは、予めphospholipase-Cによる処理後に定量させた。以上により、Hep-G2細胞中のFVIIIはFVIII-リン脂質複合体として存在しているものと考えられた。 2.ラット部分肝移植 部分肝移植における許容肝容積を決定する目的で、免疫抑制剤非投与下に30%部分肝移植(n=16)と100%肝移植(n=16)を行った。各々の14日生存率は88%、56%と部分肝移植群で有意に高かった。以上により全肝移植にこだわるよりも阻血時間を短縮することが重要と考えられた。なお、死因は急性拒絶で、移植肝の再生時期に一致して移植後3日目をピークとして免疫抑制機構が作用するものと推定された。 3.イヌ同種肝移植 イヌ同種肝移植の拒絶の早期発見を非浸襲的に行う目的で、末梢血単核球のSG2M%をflow cytometry法にて測定した。免疫抑制剤非投与群ではSG2M%が5日後に急上昇し、全例(n=5)が拒絶されたのに対し、免疫抑制剤投与群(n=4)ではSG2M%の上昇はみられなかった。従って、本法は拒絶の早期発見に有用と考えられた。 以上の成果をふまえ、平成6年度にはCanada Queen's大学(Prof.A.Giles)より血友病A犬を導入し同種肝(細胞)移植を実施する予定である。
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