研究課題/領域番号 |
05454292
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
小林 陽之助 関西医科大学, 医学部, 教授 (50034062)
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研究分担者 |
高屋 淳二 関西医科大学, 医学部, 助手 (80247923)
谷内 昇一郎 関西医科大学, 医学部, 助手 (70171832)
木下 洋 関西医科大学, 医学部, 講師 (10105778)
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キーワード | 肺胞マクロファージ / スーパーオキシドによる組織障害 / スーパーオキシド産生と加齢の影響 |
研究概要 |
(1)肺胞マクロファージの活性化による胎便惹起肺障害の機序 活性酸素種は様々な組織障害の原因になることが知られているが、その機序には不明な点が多い。新生児では出生時に胎便を吸引して肺に障害を起こすことがあるが(胎便吸引症候群)、モデルとしてウサギ肺胞マクロファージと新生児胎便を用いた系を確立し、スーパーオキシドが原因物質として作用している所見を得た。 (2)ウサギ肺胞マクロファージによるスーパーオキシド産生に及ぼす加齢の影響 活性酸素種が関与する生物学的反応でスーパーオキシド産生に及ぼす加齢の影響を考慮することは重要である。各月齢のウサギの肺胞マクロファージを用いてスーパーオキシド産生を比較したところ、幼若動物でもすでにスーパーオキシド産生能が備わっていることが明らかとなった。この所見は、幼若小児のアレルギー疾患では、その所見の評価に際して、年齢対照をおくことの重要性を示すものである。 (3)RANTES、TNF-αによる肺胞マクロファージ刺激に対する人参養栄湯の抑制効果 RANTES、TNF-αは、マクロファージ・好酸球の走化能促進作用を持つサイトカインである。まま人参養栄湯は古来慢性肺疾患治療薬として知られている。RANTES、TNF-αは肺胞マクロファージの強力な刺激物質であること、人参養栄湯はこれらの刺激作用を抑制する薬剤であることが判明した。本知見は、マクロファージとアレルギ作用発現の機序の解明に役立つ系と期待できる。
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