研究概要 |
今年度は以下の知見が得られた 1)SODおよびカタラーゼ活性: UVB長期照射により12,24週後にSOD活性は誘導され,有意に増加したが,UVA長期照射ではこのような変化はみられなかった。36週ではSOD活性はコントロール群とほぼ同等のレベルまで回帰した。カタラーゼ活性については,各時点で有意な変化はみられなかったが,Fisher's protected LTD testによるtwo factor ANOVA法にて,全体の経過を統計的に処理するとUVA長期照射によりカタラーゼ活性はコントロール群に比べて低下することが認められた。 2)GAGs二糖分析: 主なGAGである△Di-HA,△Di-4S(DS),△Di-4S(CS)の絶対量はUVA,UVBともすべて24週でコントロール群に比べて有意に増加しており,この傾向は,36週においてとくにUVA照射群で顕著であった。36週後における二糖の組成をみると,UVA,UVBとも,△Di-HAの占める割合は減少し,逆に△Di-4S(DS),△Di-4S(CS)の占める割合は増加していた。 3)三次元培養系: Asc2-p添加培養系では,中性不溶性コラーゲンが認められたのに対し,Asc2-p非添加培養系では全く認められないことから,Asc2-p添加培養によりコラーゲンがin vitroで成熟し,蓄積したことが示された。また,GAGsを二糖分析すると,Asc2-P添加培養系では,細胞層で約5倍,培地中では約1.5培に増加していたが,GAGsの組成比には差を認めなかった。
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