研究課題/領域番号 |
05454297
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福田 寛 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30125645)
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研究分担者 |
井戸 達雄 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 教授 (80134063)
伊藤 正敏 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 教授 (00125501)
入江 俊章 放射線医学総合研究所, 障害・臨床研究部, 主任研究官 (40160072)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 脳 / アセチルコリン受容体 / アセチルコリンエステレース活性 / ポジトロンCT |
研究概要 |
痴呆患者のアセチルコリン神経伝達の異常を早期に画像診断することを目的として本年度は以下の研究を行った。 (1)脳内アセチルコリン受容体分布の画像化:アセチルコリン受容体の結合物質である^<11>C-ベンゾトロピンを用いて、正常人6例のポジトロンCT (PET)検査を行った。同時に動脈採血を行い、血漿中の未変化標識化合物の割合を高速液体クロマトグラムにより測定した(入力関数)。次にPET脳画像データと入力関数を用いて、Patlakプロットにより脳局所の受容体結合能の定量を行った。また脳の解剖学的標準化システム(Human Brain Arlas)を用いて、6例の脳の形を標準脳と全く同じ形に変形した後に、脳局所の結合能の6例の平均値と標準偏差を求めた。現在、痴呆患者についてPET検査を進めている。 (2)脳内アセチルコリンエステレース(AchE)活性の測定:代謝変換型AchEとして分子設計したN-メチル-3ピペリジルエステルのC-11標準化および分離、精製法を確立した。次いでこの標準化合物の動物に対する急性毒性の評価、MIRD法による被爆線量の評価を行い安全性を確認した。臨床使用について倫理委員会の承認を得た後健常者を対象としてPET検査を世界で初めて行ったる。また、動脈採血を行って血漿中の標識化合物の代謝分析法について検討を行った。さらに、脳PET画像と血液入力関数から脳局所AchE活性を数学的に定量するためのモデルとその解析法について検討した。定量法を確立しながら健常人および痴呆患者のPET検査を進めている。 以上の研究の成果を踏まえて、脳内AchE活性の正常者データベースの構築をめざす(別の形の科学研究費申請)。具体的には、解剖学的標準化システムにより多数の正常者の酵素活性データの平均とSDを求めこれを痴呆診断のためのデータベースとする。
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