研究分担者 |
中島 孝 群馬大学, 医学部, 教授 (20124422)
山川 通隆 群馬大学, 医学部, 講師 (40182414)
斉藤 吉弘 群馬大学, 医学部, 助手 (50170543)
早川 和重 群馬大学, 医学部, 講師 (70114189)
三橋 紀夫 群馬大学, 医学部, 助教授 (20008585)
|
研究概要 |
非小細胞肺癌の5年生存率は10%強で,類表皮癌のI期では30%となっている.腺癌では,高分化型に20%の5年生存例をえているが,これらは放射線療法が,真に貢献した結果なのか,単に腫瘍の自然史に依存しただけのものか,結論を導きだせるにはいたっていない.分化度の低い腫瘍では,類表皮癌を除いては,長期生存例は例外的にしか存在しない.すなわち,放射線療法を主体の治療で治癒がのぞめるのは,類表皮癌であることになる.照射効果については,間期死に着目して,組織型と増殖速度との関係を検討し,増殖の旺盛な腫瘍では間期死が多いことを確認している.放射線による間質反応については,長年にわたり組織学的観察をしてきた.なお,新部が間期死として扱ってきた病理組織所見は,アポトーシスの所見と一致してることがわかり,目下,関連性につき検討してるところである.腫瘍マーカーに関する研究としては,組織型別の血中濃度の変化や腫瘍細胞中のマーカーの存在につき,組織学的に検討してきた.さらに,モノクローナル抗体を用いての腫瘍シンチグラフィーでも,前臨床研究の段階にたっした. 臨床研究発表は,III期非小細胞癌の放射線治療成績-生存と失敗-,肺癌放射線治療後の2次肺癌の発症,BRMの補助効果,^<131>Iで標識したIMACIS-Iを用いての肺癌の放射免疫画像診断の成果など,すでに一部は論文になっている.全国78施設の協力をえて施行した手術療法不能症例の放射線療法後の5年生存者の調査では,438名が登録され,予後因子などについて解析した結果では当科の従来からの成績と類似の結果をえた.基礎的研究に関しても,増殖動態の免疫組織化学的解析は順調に進んでおり,その成果の一部は国際放射線腫瘍学会・日本肺癌学会などで報告している.5年度の研究計画は全体として順調に経過しているといえる.
|