研究概要 |
平成6年度の実験計画にそい、脳内透析法、モノアミン再取り込み及び受容体結合実験、恐怖条件付けストレス実験等を用いて以下の知見が得られた。 (1)新たな非定型抗精神病薬候補物質であるCP-88,059-1でClozapineと同様な前頭葉皮質ドーパミン系の活性化作用を見出し、さらにその機序としてClozapineと同様、ノルアドレナリントランスポーターに対する親和性に帰因することを確認した。 (2)リ-ジョン・ジェネレーターによる前頭前野内側部破壊ラット、及び前頭前野に6-OH-dopamineを注入し、ドーパミン系を選択的に破壊したラットで恐怖条件付け実験を行い、前頭葉ドーパミン系はすくみ行動の獲得には関係なく、ストレス状況における注意の喚起あるいは認知過程に深く関与する事が明らかとなった。 (3)一方、くすみ行動の獲得には、ドーパミンD_4受容体が関連していた。 (4)[^3h]Clozapine結合実験を確立し、薬理的に性状を検討した結果、大脳皮質及び辺緑系にドーパミンD_4受容体に相当すると考えられる結合部位を見出した。
|