研究課題/領域番号 |
05454309
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
兼子 直 弘前大学, 医学部, 助教授 (40106852)
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研究分担者 |
近藤 毅 弘前大学, 医学部, 助手 (40215455)
大谷 浩一 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (00194192)
斎藤 文男 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (50133864)
福島 裕 弘前大学, 医学部, 教授 (80003482)
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キーワード | 抗てんかん薬 / てんかん / 奇形発現機序 / 遺伝 / 抗てんかん薬・活性代謝産物 / 妊娠 / 奇形発現防止 |
研究概要 |
1.臨床的研究結果 前方視的に観察したてんかん妊婦の児968症例を対象に検討し、以下の結果を得た。症侯性てんかんに比較し、本態性てんかんの母の児に奇形発現が多いが、抗てんかん薬(AED)で補正すると差異は無くなる。 従って、臨床的には「てんかん」の遺伝(子)と奇形の発現に直接的な因果関係は否定される可能性が高い。 今後は、本態性てんかんを細分類し、更に厳密に検討する予定であり、可能であればてんかんの遺伝子を同定し、直接的関連性の有無を検討したい。現在、DNA分離を準備中である。 2.遺伝的に規定された薬物代謝に関する研究結果 AEDが奇形発現のinitiatorとしてより重要であることが本研究から判明した。また、ある特定のAED併用が奇形発現率を高めることから、AEDのmaternal compoundだけでなく、AEDの活性代謝産物であるepoxide体、valproate(VPA)の4-en VPAも奇形発現に関与しているものと考えられた。4-en VPA濃度と奇形発現の関連は現在検討中であるが、epoxide体産生には遺伝的に規定されるepoxide hydrolase活性(EH活性)が関与する。そこで、ラジオアイソトープを使用せず、羊水細胞中のEH活性の測定法をほぼ開発した。この方法を用いて現在、正常妊婦の羊水細胞中のEH活性を測定中であり、これとてんかん妊婦(奇形児出産の有無により2分)の活性とを比較することにより奇形予知の可能性を追求する予定である。 3.遺伝子関連 EH活性を規定する遺伝子が米国で解明されつつあり、今後はそれとの関連も追求すべく、現在、国際共同研究を組織しつつある。
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