研究課題/領域番号 |
05454311
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
古田 寿一 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (80190156)
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研究分担者 |
木場 清子 金沢大学, 医学部, 助手 (50110614)
川崎 康弘 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (80242519)
東間 正人 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (00173146)
小林 克治 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (50221239)
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キーワード | 精神分裂病 / 長期予後 / 直接検診 / 持効性抗精神病薬 / デカン酸ハロペリドール |
研究概要 |
昭和53年から平成4年までに金沢大学医学部附属病院神経科精神科に初回入院した精神分裂病の患者62名(男性35名、女性27名、年齢32.6±9.3歳)の長期予後について直接検診による調査を行った。得られた結果について、同一基準を用いて行われた過去の調査との比較検討を行った。また、昭和62年から臨床使用されるようになった持効性抗精神病薬によって治療されている症例を調査対象のなかから取り上げて、その予後について検討した。 全体的な長期予後について、完全寛解と不全寛解とを含む寛解率は58%であり、抗精神病薬による薬物療法が導入された後の2回の調査報告とほぼ同等であった。初回入院後の経過年数と寛解率の変化をみた場合、今回の調査でも経過年数が12年以上の最も長い群では寛解率が低下する傾向が認められた。長期予後と病型との関連では、緊張型や妄想型に比べて、破瓜型では寛解率が低かった。初回退院時の転帰と長期予後としての現在の転帰とが一致することが多く、初回入院時において難治であった症例や治療が不充分であった症例では、その後の長期予後も不良であることが示唆された。 今回の調査対象となった患者のうち、持効性抗精神病薬による治療を受けている症例は4例のみであった。それらの患者では、完全寛解が1例、不全寛解が3例であり、全員が良好な予後を示していた。このうちの2例は初回入院後からの経過年数が12年以上の症例であり、長期予後についても良好であった。しかしながら、今回の4例は緊張型が1例、妄想型が3例であり、破瓜型と比べて、これらの病型は長期予後が比較的良好であることから、転帰に対して持効性抗精神病薬による治療がどの程度寄与するかについては評価が困難と思われる。今後は、持効性抗精神病薬治療の中断例や治療中の悪化例などをも含めた多数例での検討が必要と考えられる。
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