研究課題/領域番号 |
05454314
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
三好 功峰 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10068447)
|
研究分担者 |
古橋 淳夫 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (30238688)
湖海 正尋 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (70258143)
植木 昭紀 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (30203425)
|
キーワード | リポフスチン / プロテアーゼ阻害物質 / 前脳基底部 / 痴呆モデル動物 |
研究概要 |
1.リポフスチン蓄積促進動物 ビタミンE欠乏、テルル投与、AETT(acetyl‐ethyl‐tetramethyl‐tetralin)投与などにより神経組織におけるセロイド・リポフスチンの蓄積が促進されるが、このような動物において受動的回避学習による学習能力が低下することが明らかになった。 2.プロテアーゼ阻害物質による神経突起の変性 プロテアーゼ阻害物質のひとつ、ロイペプチンを脳内に持続投与すると、受動的回避学習における学習能力の低下が認められた。また、神経病理学的には、神経細胞の胞体内リポフスチンの増加と、神経突起の変性などが見られたが、このような病変は、アルツハイマー病の老人斑における変化と共通点が多い。プロテアーゼ阻害物質は、老人斑の形態を形成するのに重要な役割を演じている可能性があると考えられる。 3.前脳基底部の破壊による学習障害動物 アルツハイマー病において、大脳のアセチルコリン(Ach)、コリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)などの減少が起こることが知られているが、これは、マイネルト基底神経核を中心とする前脳基底部の神経細胞の変性・脱落を反映したものと考えられている。このようなアルツハイマー病の病態と類似した状態を、ラットにおいても前脳基底部破壊によって作成し、いくつかのコリン系賦活薬物の学習能力を改善する働きを明らかにした。
|