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1994 年度 実績報告書

循環調節とネフロンの機能分化の細胞制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 05454338
研究機関東北大学

研究代表者

尾股 健  東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (50194634)

研究分担者 阿部 圭志  東北大学, 医学部, 教授 (60004777)
キーワード高血圧 / 血管平滑筋 / 細胞増殖 / ネフロン / チトクロムP450 / プロスタサイクリン / エポキシエイコサトリエン酸 / 20-ヒドロキシエイコサテトラエノイン酸
研究概要

高血圧の発症や維持には腎が重要な役割を果たしている。われわれは高血圧の病態における腎性脈管作動物質の役割を検討した。レニン・アンジオテンシン系、カリクレイン・キニン系、プロスタグランディン系、チトクロムP450系などの脈管作動物質はネフロン特異性があり、各部位のネフロン機能と密接に関連している。また、ネフロンの成熟と老化にともない著明な加齢変化を示す。また、本態性高血圧のみならず自然発症高血圧や食塩感受性高血圧モデル動物でも差異が認められる。高血圧では腎性降圧物質のカリクレイン・キニン系、プロスタグランディン系の産生低下が認められる。一方、アラキドン酸代謝系の第3経路であるチトクロムP450系により19-ヒドロキシエイコサテトラエノイン酸、20-ヒドロキシエイコサテトラエノイン酸が産生されるが、前者はNa-K-ATPaseを刺激し、後者は血管内皮細胞依存性の血管収縮作用を持つ昇圧因子である。高血圧ではこれらの産生が亢進している。さらに、培養メサンギウム細胞や血管平滑筋細胞では、シクロオキシゲナーゼ系のプロスタサイクリンとチトクロムP450系のエポキシエイコサトリエン酸は細胞増殖に対して相拮抗して作動している。すなわち、前者は細胞増殖を抑制し、後者は刺激する。アラキドン酸がシクロオキシゲナーゼにより代謝された場合には細胞増殖が抑制され、チトクロムP450により代謝された場合には細胞増殖が進展する。高血圧では前者が抑制され、後者の活性が亢進していることから、高血圧性血管障害や腎障害の進展機序にもこれらの脈管作動物質が関与していることが示唆される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Omata,K.et al.: "The regulation of glomerular and tubular functions with eicosanoids." Pathophysiology.1(suppl). 80 (1994)

  • [文献書誌] Ito,O.et al.: "Insulin stimulates Nacl transport in isolated perfused MTAL of Henle's loop of rabbit kidney." Am.J.Physiol.267. F266-F270 (1994)

  • [文献書誌] Omata,K.et al.: "Effect of aging on renal cytochrome P450-dependent arachidonic acid metabolism in Dahl rats." J.Lipid Mediartors. 6. 369-373 (1993)

  • [文献書誌] Escalante,B.et al.: "20-hydroxyeicosatetraenoic acid is an endothelium-dependent vasoconstrictor in rabbit arteries." E.J.Pharmacol.235. 1-7 (1993)

  • [文献書誌] Omata,K.et al.: "Age-related changes in renal cytochrome P450 arachidonic acid metabolism in spontaneously hypertensive rats." Am.J.Physiol.262. F8-F16 (1992)

  • [文献書誌] Omata,K.et al.: "Renal cytochrome P450-dependent arachidonic acid metabolism:intrarenal localization and hormonal regulation in SHR." Am.J.Physiol.262. F591-F599 (1992)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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