研究概要 |
本年度は、当初の研究計画に基いて現在までに存在が確認されている各種サイトカインおおび糸球体構成成分について、筆者方が従来確立して来た手段に基いて競合PCR法を用いて腎生検組織全体における各種mRNAの発現を検討し、さらにこれと平行して現在までに当教室で開発に成功した4層式のin situhybriddization を現行のIL-6から順次他の物資へ拡大することを開始して、本年度はTGF-beta1のmRNA発現について検討を行った。 その結果慢性糸球体腎炎特にIgA腎症においては組織障害度が進行中と思われる症例の腎組織においてサイトカインではIL-6,TGF-beta1,PDGFなどの有意な増加を認め、これと平行してcollagen typeIVのalpha2およびalpha3鎖のmRNA増加を認めた。TGF-beta1のin sitn bybridization法による検討の結果、このサイトカインはメサンギウム,ボーマン曩および尿細管上皮に強く発現し、糸球体が硬化するにつれて消滅することは示された。 これらの成果は本年2月の第6回国際IoA腎症シンポジウムにて発表し、引続き国際誌にて印刷中である。
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