研究課題/領域番号 |
05454345
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中村 肇 神戸大学, 医学部, 教授 (40030978)
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研究分担者 |
高田 哲 神戸大学, 医学部, 助手 (10216658)
佐野 公彦 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (40205993)
上谷 良行 神戸大学, 医学部, 講師 (40168620)
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キーワード | 脳虚血 / 新生児 / マイクロダイアリシス / アセチルコリン / 神経栄養因子 |
研究概要 |
脳損傷修復に及ぼす各種サイトカイン、ホルモンの影響を明らかにし、新生児低酸素性虚血性脳障害の発生機序の解明とともに、これらの物質投与による治療への可能性を追及する目的で研究計画を立てた。 平成5年度に新規に購入したHPLC-ECD高感度測定システムとマイクロダイアリシス分析システムを組み合わせ、生後1週の山羊新生仔の海馬領域、中隔野コリン作動性神経細胞領域にマイクロプローブを挿入し、固定後再び母獣に戻し、シナプス機能の指標としてのアセチルコリン放出量をin vivoで連続的に測定することが可能となった。 生後1週の山羊新生仔に片側頸動脈を金属クリップで10分間結紮することにより脳虚血モデル作成し、その後脳血流を再開させ、無処置群と比較検討したところ、虚血負荷群では虚血後24時間以内にはアセチルコリン放出量は増加するが、この後はむしろ無処置群よりも低下する傾向にあった。 NGFを前投与した群では非投与群に比し虚血1週後での細胞外液中のアセチルコリン量は多く、NGFによるアセチルコリン作動性ニューロンの虚血傷害に対する修復作用が示唆された。しかし、虚血による変化は個体差がかなり著しく、一定の変化として捉えるまでには至っていない。また、生後14日のラット新生仔で本システムを用いて実験を試みたところ、海馬錐体細胞層へのプローブの留置が可能であり、アセチルコリン放出量を測定できた。さらに実験を重ね、安定した成績が得られるなら、経済性の点からもラット新生仔を用いた実験を進めていきたい。
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