研究課題/領域番号 |
05454350
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高木 弘 名古屋大学, 医学部, 教授 (70154755)
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研究分担者 |
岡田 秀親 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (30160683)
林 衆治 名古屋大学, 医学部, 助手
磯部 健一 名古屋大学, 医学部, 助教授 (20151441)
中島 泉 名古屋大学, 医学部, 教授 (40022826)
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キーワード | gene engineering / 異種移植 / marzinal zone / 補体制御因子 / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
我々は、遺伝子工学的技術を用いた異種免疫抑制療法の確立を目標として、ヒト補体制御因子遺伝子を用いたgene engineeringおよび異種移植における抗体産生のメカニズムの解析に関して研究を行っている。 異種移植における抗体産生に大きな関係を有する脾臓白脾髄marzinal zoneの動態に関してFK506およびanti-proliferative drugであるcyclophosphamide(CyP)、tetrahydropyranyladriamycin(THP)を用いて検討した。異種脾細胞の静注により同系または同種脾細胞と比較してmarzinal zoneは著明に増大した。この増大は、CyP、THPといったante-proliferative drygにより効果的に抑制された。従って、CyP、THPといったanti-proliferative drugは脾臓marzinal zoneにおける抗体産生能を抑制するために異種移植で有効と考えられた。 次に、超急性拒絶反応のターゲットである異種血管内皮細胞に対しヒト補体制御因子遺伝子を複数導入することによりヒト補体反応はより有効に抑制されるかどうか検討した。レトロウイルス法を用いてウシ血管内皮細胞(BAEC)に、ヒト補体制御因子であるDAFおよびHRF20遺伝子を導入し(BAEC/D+H)、DAFのみ導入した場合(BAEC/D)と比較検討した。ターゲット細胞を抗体で前感作した場合、BAEC/D+HはBAED/Dに比べて有意に良好なヒト補体反応抑制効果を示した。従って、ヒト補体制御因子遺伝子は複数導入した方が、よりヒト補体反応抑制効果は良好であると考えられた。 次に、補体制御因子遺伝子導入トランスジェニックマウスの作成に関しては、DAFまたはHRF20遺伝子をマイクロインジェクションし、生まれてきた子マウスについてPCR法および蛍光染色で遺伝子導入および発現を確認した。マウスtail skinより採取されたfibroblastの蛍光染色では、DAFおよびHRF20が発現しているのが認められる。現在、DAFおよびHRF20遺伝子導入トランスジェニックマウスを交配しDAFとHRF20を両方とみに有するトランスジェニックマウスを作成している。
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