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1993 年度 実績報告書

炎症性腸疾患の治療における新しい食物繊維の意義に関する基礎的臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05454362
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

谷村 弘  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10026990)

研究分担者 岩橋 誠  和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (70244738)
内山 和久  和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (80232867)
石本 喜和男  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40176227)
キーワード食物繊維 / オリゴ糖 / 潰瘍性大腸炎 / ビヒィズス菌 / 腸内細菌 / 短鎖脂肪酸
研究概要

平成5年度は5%DSSを用いてラットに急性期潰瘍性大腸炎モデルを作成し、フラクトオリゴ糖の大腸における炎症発生に対する予防効果について検討した。
8週齢のSD系ラット(n=60)を3週間、1)無繊維食,2)15%セルロース食,3)10%フラクトオリゴ糖食について飼育した後、5%DSSを自由飲水させ、1週間後に屠殺し以下の項目について検討を加えた。1)5%DSS飲水開始後の体重減少率,2)屠殺時の大腸の肉眼的所見とシステム顕微鏡およびテレビシステムを用いての病理組織学的評価,3)HPLC法を用いての大腸内短鎖脂肪酸の測定,4)光岡法による腸内細菌の測定した。
その結果、1)食餌摂取量は各群とも差はなかったが、体重減少率は無繊維食で14.2±2.3%,15%セルロース食は13.4±1.4%,10%フラクトオリゴ糖食5.3±2.6%と、フラクトオリゴ糖食では、無繊維食、セルロース食の半分以下の体重減少率に抑制された。2)病理組織学的にも、有意にフラクトオリゴ糖食群で炎症が予防されること、またセルロース食では、炎症の主座が直腸になるのに対してフラクトオリゴ糖では、盲腸に炎症が強いことが判明した。
3)大腸内短鎖脂肪酸の測定の結果、総短鎖脂肪酸および酪酸、酢酸量は炎症の程度と相関性強く、大腸の炎症度の指標となり得ること、および短鎖脂肪酸の面からもフラクトオリゴ糖が有用であるととが判明した。
4)無繊維食、セルロース食では、ビヒィズス菌検出不能例が多いのに対しフラクトオリゴ糖投与食では、平均10^<7-8>検出され、フラクトオリゴ糖の炎症予防効果とビヒィズス菌の関連性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 谷村 弘,他: "潰瘍性大腸炎の治療における食物繊維の意義についての実験的検討" 日本静脈・経腸栄養研究会誌. 第8巻. 112-115 (1993)

  • [文献書誌] 谷村 弘,他: "実験的潰瘍性大腸炎におけるフラクトオリゴ糖の腸内環境改善作用について" 消化と吸収. 第16巻. 84-89 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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