研究課題/領域番号 |
05454362
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
谷村 弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10026990)
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研究分担者 |
内山 和久 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (80232867)
石本 喜和男 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (40176227)
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キーワード | 食物繊維 / オリゴ糖 / 過病性大腸炎 / ビヒイズス菌 / 腸内細菌 / 短鎖脂肪酸 |
研究概要 |
本年度は、大腸炎モデルにおける炎症のオリゴ糖の治癒過程に及ぼす病態生理学的効果について、腸内細菌と短鎖脂肪酸の両面から検討を加えてさらに新治療法の確立を目指して臨床投与も試みた。 1.フラクトオリゴ糖の炎症発生期における治癒促進効果の検討 DSS刺激開始とともに3食事群(無繊維食、15%セルロース食、10%フラクトオリゴ糖)をラツトに摂取させ、大腸炎からの回復過程を刺激前、1週目、3週目、4週目に腸内細菌および短鎖脂肪酸を測定し、病理組織学的検討を行った結果、ビフイズス菌の回復は、フラクトオリゴ糖食で最も早く3週目には刺激前値にまで回復し、4週目には10^<12>/gにまで増加した。短鎖脂肪酸も、ビフイズス菌の増加に平行して回復したが、やはりフラクトオリゴ糖摂取により回復が促進された。 2.フラクトオリゴ糖の臨床応用 潰瘍性大腸炎患者やクローン病患者の治療に応用し、糞便中の短鎖脂肪酸、腸内細菌をフラクトオリゴ糖の投与前後で測定した。臨床例にて、フラクトオリゴ糖摂取によりClostridiumが減少し、逆にビフイズス菌と乳酸菌が増加し、短鎖脂肪酸は酪酸、酢酸を主体とした短鎖脂肪酸が増加することが確認された。 以上より、今回の検討結果からフラクトオリゴ糖が基礎的実験で急性期の治癒促進効果も有し、臨床例においても便性の改善や症状の改善が示唆される症例があり、成分栄養の利点を損なわずに腸内細菌叢の改善を行うことができる成分であることが判明した。
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