研究課題/領域番号 |
05454369
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
松本 由朗 山梨医科大学, 医学部, 教授 (20159156)
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研究分担者 |
奥田 純一 山梨医科大学, 医学部, 医員
三浦 和夫 山梨医科大学, 医学部, 助手 (00221599)
藤井 秀樹 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30181316)
板倉 淳 山梨医科大学, 医学部, 助手 (10252032)
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キーワード | 肝膵同時切除 / サイトカイン / 顆粒球エラスターゼ / ファイブロネクチン |
研究概要 |
本年度は、1.これまでに経験した肝膵同時切除症例の解析、2.高度手術侵襲症例に於けるサイトカインの変動からみた病態の解析、3.ラット肝膵同時切除モデルの確立を主たる目的として研究を展開した。 1.開院以来9年6カ月間に当科で施行した亜区域切除以上の肝膵同時切除(HPD)症例は7例、亜区域切除以内(hPD)が6例、亜区域切除以上の非硬変肝切除(HR)症例は9例で、HPDでは術後黄疸の遷延と早期の合併症発現が病態の特徴と考えられた。 2.高度手術侵襲症例として肝膵同時切除1例、膵頭十二指腸切除4例、非硬変肝葉切除4例、肝門部切除4例、開胸食道亜全摘4例、胃全摘7例について術前・術直後・第1、3、5病日の血中interleukin 8(IL-8)、顆粒球エラスターゼ(PMNE)、ファイブロネクチン、過酸化脂質を測定した。この結果、手術時間・術中出血量に比例してIL-8、PMNEは高値を示す傾向が認められ、それぞれのピーク値は膵頭十二指腸切除例では術直後と第3病日に、肝葉切除例では第1病日と第3病日に認められた。肝膵同時切除症例ではいずれも第3病日にピークが認められ、全症例中でも最高値であった。今後、これらのmediatorの推移と術後早期の合併症発現との関係の解析をすすめることによって、肝膵同時切除に伴う合併症対策が可能と考えられた。 3.動物実験では、SW系ラットを用いた40%肝+90%膵同時切除モデルを試み、安定した術式が確立された。現在は、同モデルを用いて各種meidiatorを測定し臨床例との相関を検索中である。
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