研究課題/領域番号 |
05454388
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
夏秋 正文 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (90075557)
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研究分担者 |
古川 浩二郎 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (90264176)
須田 久雄 佐賀歯科大学, 医学部, 講師 (50206562)
伊藤 翼 佐賀歯科大学, 医学部, 教授 (10110496)
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キーワード | 心臓内視鏡 / 房室弁開閉機構 / 僧帽弁形成術 / 僧帽弁輪収縮 / flexible ring / rigid ring |
研究概要 |
心臓内視鏡を用いて犬の拍動心における僧帽弁や三尖弁の弁輪-腱索-乳頭筋の協調運動の直視下観察を行いビデオ記録による解析にて僧帽弁の開閉機構、弁逆流防止機構の生理を解明した。房室弁逆流の際の房室弁-弁輪-腱索-乳頭筋の運動の病態生理を解明し、従来の房室弁形成術、弁輪形成術、腱索形成術、弁置換術等の外科治療法が、弁輪、乳頭筋の生理的運動を温存しうる妥当な方法かどうか実証するため、各種弁論形成術、縫縮術の方法を検討した。正常三尖弁輪は心房収縮期に拡張し、心室収縮期に縮小した。同様に僧帽弁輪も心房収縮期に拡張し、心室収縮期に縮小するとともに、後尖側を前尖側に引き込む様な動きをしめした。慢性僧帽弁閉鎖不全症に対する弁輪形成術においてFlexible RingであるDuran Ringを使用したが、この生理的僧帽弁輪の運動を阻害することなく良好な僧帽弁輪の収縮が維持された。即ち房室弁閉鎖機構における心室収縮期での弁輪収縮の意義は、弁のcoaptationzoneをより強固なものとし、逆流を防止する予備力を生み出すと考えられる。また心房収縮期における流入抵抗を減弱させる可能性がある。この点Flexible RingであるDuran Ringは弁輪収縮を温存させること事が可能であり、心機能上も優れた弁輪縫縮用のRingと考えられた。特に僧帽弁輪には収縮期に強い左室圧を受けるため、弁輪収縮を温存することが弁輪拡大を阻止する上で重要であり、僧帽弁閉鎖不全症の長期遠隔成績を良好に維持する可能性が実験的に示唆された。
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