研究課題/領域番号 |
05454397
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
早川 徹 大阪大学, 医学部, 教授 (20135700)
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研究分担者 |
宮尾 泰慶 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
大西 丘倫 大阪大学, 医学部, 助手 (70233210)
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学部, 助手 (00201046)
清水 恵司 大阪大学, 医学部, 講師 (50162699)
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キーワード | グリオーマ / 遺伝子診断 / 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / 染色体 / ベクター / モノクローナル抗体 |
研究概要 |
1)ヒト髄芽腫細胞に対するマウスモノクローナル抗体(ONS-M21)を作製し(Br J Cancer68:831-837,1993)、この抗体で認識できる抗原の抽出と、アミノ酸配列および遺伝子配列の同定を行なっている。一方、この抗体のバリアブルリージョンを決定し、ヒトとマウスとのキメラ抗体を作製すると共に、中外製薬(株)との共同研究にて、ヒト型化抗体を作製し共同で特許出願している。そして、この抗体を用いることで、グリオーマ細胞の脳内浸潤度や髄腔内播種病態の画像診断を安全かつ精密に施行できると推測される。また、ONS-M21抗体は、グリオーマ細胞以外の正常細胞や組織と交差しないので、髄芽腫や悪性グリオーマの髄腔内播種病態の早期診断に非常に有用と思われる。 2)ヒトグリオブラストーマ株(T98G)より分泌されるグリオーマ由来運動性因子(GDMF)の精製に成功しており(Biochem Biopsy Res Commun 193:518-525,1993)、この因子の遺伝子増幅と病理学的悪性度との関連を研究することは、悪性グリオーマの局所再発や遠隔地における腫瘍増殖に対する治療に大いに役立つと考えられる。さらに我々は、グリオーマ細胞の脳内浸潤度を正確に同定するため、グルオーマ細胞のDNA内にマーカー遺伝子を挿入し、モデルマウスの脳内におけるグリオーマ細胞の浸潤度を検索する新たな手法を確立した(J Neurosci Res,in press)。現在、この手法を用いて、グリオーマ細胞の遊走能の検索および阻止実験を繰り返している。
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