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1993 年度 実績報告書

悪性脳腫瘍の細胞内情報伝達機構と治療開発に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05454398
研究機関島根医科大学

研究代表者

山崎 俊樹  島根医科大学, 医学部, 助教授 (50201835)

研究分担者 長尾 聖一  島根医科大学, 医学部, 助手 (80180454)
榎本 浩一  島根医科大学, 医学部, 講師 (70112125)
キーワード脳腫瘍 / カルシウムシグナル / グリオーマ / 神経インパルス / 癌遺伝子 / 主要組織適合複合体抗原 / 分子生物学 / 分化
研究概要

1.脳細胞は他臓器の細胞と比べ主要組織適合複合体(MHC)抗原の膜発現性が乏しい特徴を示すが、その免疫生物学的意義は不明である。一方、癌遺伝子の発現性は癌化・分化と密接に関係している。我々は脳細胞のMHC抗原発現性の特性と癌遺伝子の発現性との関連性に着眼し、神経系腫瘍の分化に際し制御される癌遺伝子とMHC抗原遺伝子の発現機構を分子生物学的実験システム系で世界に先駆けて検討した。そして、造腫瘍性の制御には癌遺伝子の調節機構が直接関与しているが、生体の造腫瘍性にはMHC抗原遺伝子が関連し癌遺伝子との間には宿主免疫系を介する間接的相互作用が存在する可能性を報告した。
2.インターロイキン2や腫瘍壊死因子などのサイトカインは悪性脳腫瘍の治療上期待される薬剤のひとつである。これらのサイトカインが、正常の神経細胞、グリア細胞や血管内皮細胞に対し細胞傷害作用を示さないことを免疫組織化学的あるいは電顕的観察から初めて確認した。
3.生体内の神経細胞の性質は均一性に乏しく、しかもそれらが互いに他の神経細胞とシナプス結合し合った状態で神経回路の一部として機能している。そのため個々の神経回路について電気的な活動を解析することは不可能に近い。一方、株化細胞は単一の細胞を起源として遺伝的に均一な細胞の集団である。この株化神経細胞を用い、その膜電位と興奮性インパルスあるいは細胞内カルシウム濃度を分析することにより、神経細胞における電気的機能や役割を報告した。
4.グリオーマの増殖プロモーションとカルシウムシグナル機構をマウス悪性神経膠腫株を用い、独自に開発した顕微鏡下単一細胞の機械的刺激による細胞増殖システム系から検討した。その結果、グリオーマでは膜リセプターの関与する伝達機構の異常で細胞間カルシウムシグナルの調節性が失われ細胞増殖が生じることを発見した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yamasaki T: "Role of histocompatibility antigen gene and proto-oncogene expressions in intracranial tumorigenicity of mouse neuroblastoma." Journal of Neurosurgery. 78. 619-629 (1993)

  • [文献書誌] 山崎俊樹: "アンギオテンシン変換酵素阻害剤の培養株化神経細胞における膜電位と興奮性インパルスに及ぼす影響." 脳神経. 45. 1039-1044 (1993)

  • [文献書誌] Yamasaki T: "Chemotherapeutic effects of intra-arterial administration of ACNU in primary intracerebral Non-Hodgkin's lymphoma." Surgical Neurology. 40. 383-389 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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