研究概要 |
レーザー ファイバーは先端で軸に80°光が屈曲するUltra Line^<TM>レーザー ファイバー(以下ファイバー)を用いた。またシリコンシートで作製した7Fバルーン カテーテル内へファイバーを挿入し,レーザー・バルーン プローブをin vivoの温熱療法実験に用いた。レーザーの温熱効果と殺細胞効果,及びレーザー先端で,目的方向に広く温熱が加わり,炭化物を付着させず虚血をきたすには,バルーン内の生理的食塩水(生食水)の至適量は0.6mlであった。この時のレーザーの透過性は98%,またバルーンの直径8.2mm,長径15.9mm,バルーン壁0.04mm,耐熱性は200℃以下。出力は5W(10Wではバルーンは穿孔する)。 この条件下で,8匹のラット皮下移植グリオーマ モデル(RGC5-CL2)にそれぞれレーザー プローブを刺入し,ファイバーより10mm離れた部位の組織温度を45℃にコンピーターを介して自動制御し,バルーンを生食水0.6mlで膨らませ,5Wで45分間,6,500〜7,200 joule量を加えた。術後5日〜1週間の組織検索で,腫瘍はレーザー光に向かって,扇形に約100°,10mmの巾で境界鮮明な熱凝固層が作製されていた。 この事実は術中レーザー ファイバーを回転させる事により,目的とする方向へ温熱を効果的に加える事が出来,不整形の広がりを示す腫瘍には効率が良い方法である。
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