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1993 年度 実績報告書

先天性水頭症の発生機序解明に関する分子生物学的研究と薬物治療の開発に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05454403
研究機関順天堂大学

研究代表者

佐藤 潔  順天堂大学, 医学部, 教授 (10112707)

研究分担者 宮嶋 雅一  順天堂大学, 医学部, 助手 (60200177)
須田 喜久夫  順天堂大学, 医学部, 助手 (00206559)
武田 信昭  順天堂大学, 医学部, 助手 (00171645)
新田 泰三  順天堂大学, 医学部, 講師 (80172724)
新井 一  順天堂大学, 医学部, 助教授 (70167229)
キーワードC-type natriuretic peptide / 先天性水頭症 / GC-B / RT-PCR / 頭蓋内圧
研究概要

これまでの私たちの研究より、先天性水頭症児における精神運動発達障害の成立には、種々の中枢神経系合併奇形のみならず、胎生期に進行した水頭症による神経回路網の形成障害が大きく関与していることが明らかとなった。また、水頭症の胎生期治療が水頭症児の精神運動発達障害の回避に役立つであろうことを強く示唆する実験的研究結果も報告してきた。一方、既に欧米で施工された脳室-羊水腔シャントはその術後成績が不良であったことから、もはや顧みられなくなっており、先天性水頭症に対する新たな治療法の開発が望まれる。このような現状を踏まえて、私達は豚の脳より単離された第三のナトリウム利尿ペプチド-C-type natriuretic peptide(CNP)一に着目し、これを用いた先天性水頭症治療の可能性を検討した。
1)先天性水頭症ラットHTX(HTX)におけるCNP receptor)(GC-B)遺伝子の検討:生後1日齢のHTXラットとWisterラットの大脳よりRNAを抽出し、CNP receptor遺伝子の合成primerを用いてRT-PCR法にてGC-BmRNAを検討した。CNPreceptor(GC-B1、GC-B2)遺伝子の発現はHTXラットとWisterラットのいずれにも認められた。2)CNPの頭蓋内圧及び髄液吸収抵抗に対する効果:生後2-3週齢の水頭症発現HTXラットの脳室内に定位的に10mug/mulのCNPを投与し、Marmarouの方法により頭蓋内圧をモニターしつつ、髄液吸収抵抗値の変化を算出した。対照実験として同一ラットの脳室内に10mulの生食を投与した。CNP投与により頭蓋内圧の低下と髄液吸収抵抗の減少を認めた。以上の実験結果と心房性ナトリウム利尿ペプチドの利尿降圧作用を考慮すると、CNPは中枢神経系の水分電解質の調節に大きく関与しているものと推察される。CNPに対するreceptorは、広く脳内のアストロサイトに認められ、c-GMPを介して水分電解質の調節に関与するものと推察されるが、頭蓋内圧と髄液吸収抵抗値の下降の機序の解明には、尚、追加実験が必要と考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 佐藤 潔他: "Role of disturbance of cpcndymal ciliary movement in development of hydroccphalus in rats" Child's Nervous System. 9. 65-71 (1993)

  • [文献書誌] 佐藤 潔他: "Systolic Cerebral Blood Inflow(SCBI)as a CBF-Index estimated with ICP wave-Change in CSF and SCBI during mannitol infusion-" Intracranial Pressure 8th.402-405 (1992)

  • [文献書誌] 須田喜久夫、佐藤潔、新井一他: "Changes of Synapse-Related Proteins(SVP-38 and Drebrins)during Development of Brain in Congenitally Hydrocephalic HTX Rats with and without Early Placement of Ventriculopenitoneal Shunt" Pediatric Neurosurgery. 20. 50-56 (1994)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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