研究課題/領域番号 |
05454406
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
藤 哲 弘前大学, 医学部, 助教授 (30142863)
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研究分担者 |
成田 俊介 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (00261446)
坪 健司 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (20180044)
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キーワード | 血管柄付骨移植 / 移植骨 / 大腿骨頭壊死 / muscle sleeve / 臨床 / 基礎 |
研究概要 |
平成7年度は骨壊死患者に対する血管柄付骨移植の臨床的検討及び基礎的研究に着手した。 1.臨床的検討:現在、大腿骨頭壊死症(厚生省難病指定疾患)に対する骨頭温存手術としては、大腿骨頭回転骨切り術と当科で開発した有茎血管柄付腸骨移植及びその合併手術が行われている。有茎血管柄付腸骨移植を行った臨床例の経過を検討した。大腿骨頸部より骨頭へ移植された腸骨は、術後3カ月で移植骨周辺の骨癒合が認められるが、骨梁が明確となるまでは1年2カ月を要し、完成するまで約1年7か月を要した。壊死骨の荷重に耐えうる骨への置換は長期を要し、一旦陥没した骨頭軟骨及び軟骨下骨を血管柄付腸骨のみで支持することは無理と結論された。臨床成績に左右する因子としては、手術適応・移植骨の挿入位置および深さであった。従来、大腿骨頭回転骨切り術のみまたは有茎血管柄付腸骨移植のみでは成績が安定しなかった症例に対する、両者の合併手術の成績の良好であることが判り、この成果の一部は第68回日本整形外科学会学術集会で発表した。 2.基礎的研究:移植骨の周囲骨への関与を組織学的に検討する為、実験動物(dog)を使用し大腿骨頭への血管柄付骨移植を想定した実験を企画し基礎的実験を行った。犬の腸骨は巾が狭いため、まず仮骨延長法(創外固定器を利用し徐々に仮骨を延長、新しい骨を形成する技術)を試みた。装置の改良や延長の煩雑さなどによりなかなか期待された骨が形成されず、今回はモデルを作成するに止まり、移植まで到っていない。今後安定した新しい移植骨を作成するために、さらなる基礎実験が必要と考え、現在も進行中である。 3.血管柄付腓骨の臨床応用に関し、第68回日本整形外科学会学術集会でのパネル、第10回アメリカマイクロサージャリー学会での教育講演、第15回西太平洋整形外科学会でのシンポジウムで発表する機会を得た。
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