1.材料上でST2細胞と脾細胞をビタミンD3を添加して混合培養を行い破骨細胞を誘導できることが判明した。 2.誘導された破骨細胞の数は用いた材料により異なり、A-Wガラスセラミックではコントロールの培養シャーレと同じだけ誘導されたが焼結水酸アパタイト、アルミナは有意に少なかった。 3.しかし、誘導された破骨細胞での材料の吸収はほとんど観察されなかった。 4.生後10日目の家兎より取り出した破骨細胞での材料の吸収を見ると、疑似体液を用いて作製したアパタイトの層はこの破骨細胞が吸収している像が、走査電顕で観察された。 5.上記の破骨細胞でA-Wガラスセラミックを侵食している像は一部に見られたがアパタイト層に比べ少なかった。 6.長期のヒトに使用した組織像では材料の吸収が明かであったが破骨細胞は観察されていない。 7.鏡面仕上げしたAWガラスセラミックを擬似体液に漬け作成したアパタイト層の上で破骨細胞を培養するとデンチンスライスと同様に吸収窩を形成し、デンチンスライスの代わりに使用できることが判明した。これを用いると薬物が破骨細胞の機能に与える影響について検索できることも判明した。
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