研究課題/領域番号 |
05454413
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岩月 尚文 東北大学, 歯学部・附属病院, 教授 (50004908)
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研究分担者 |
浅野 三哉 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (30250757)
高橋 雅彦 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (60236320)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 虚血 / 脳 / 腎臓 / アポトーシス / 遺伝子欠損マウス / Fas / Fas ligand / 好中球 |
研究概要 |
1. 小動物に於いて全脳虚血モデルの作製:現在犬などの中動物を脳虚血実験に使用するのが困難になってきている。そこでモルモットで完全全脳虚血モデルを作製することとした.径2mmワイヤーをL字型(長軸100mm短軸20mm)に曲げた"吊り上げ鈎"を作製し、これを第2肋間胸骨右縁より小切開孔より縦隔へ挿入し、短軸部を大動脈起始部背側に滑り込ませ、鈎を吊り上げると共に胸骨を指にて背側に圧迫し、大動脈を鈎短軸部と胸骨で圧迫し閉塞させ血流を遮断する方法を考案した.この方法にて血圧のほぼ0での平坦化、脳波・脳血流量の消失、組織学的検索にて脳細胞の脱落が示され、全脳虚血モデルとしての有用性が証明された。 2. 虚血によるストレス蛋白(HSP)とアポトーシスの発現について:(1)腎虚血におけるアポトーシス:マウス腎動静脈を一時遮断する虚血負荷により、虚血時間に比したアポトーシスの発現(TUNEL法による測定)が認められた。またアポトーシスの発現頻度と尿細管障害の程度とは相関が認められた。このアポトーシス発現がFas-Fas Ligand 遺伝子欠損マウスに於いて著しく少なく、腎臓における虚血誘導性アポトーシス発現にFas-Fas Ligand系が関与していることが示唆された。(2)脳虚血におけるアポトーシス:マウスに一過性中大脳動脈閉塞梗塞モデルを作製し検討した。閉塞時間30分より、視索前野・線状域に限局する梗塞が出現、拘束時間の延長と共に拡大した。主としてそのペナンブラ域に閉塞時間に比例したアポトーシス発現が認められた。Fas-Fas Ligand遺伝子欠損マウスに60分の閉塞を行うと、正常マウスよりアポトーシスの発現は少なかった。従って梗塞領域の決定にFas-Fas Ligand系が関係したしたアポトーシスの関与が示唆された。さらに好中球にもアポトーシス発現が認められた。(3)脳虚血とHSP:(2)のモデルで現在検討中である。
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