研究課題/領域番号 |
05454420
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
芝本 利重 信州大学, 医学部, 助教授 (90178921)
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研究分担者 |
佐伯 由香 信州大学, 医学部, 講師 (70211927)
小山 省三 信州大学, 医学部, 教授 (00115346)
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キーワード | ノルエピネフリン / エピネフリン / カテコミラン / 神経原性肺水腫 / 肺毛細管圧 / 肺血管透過性 |
研究概要 |
肺血管に対する交感神経の役割を明らかにする目的で当初の計画にしたがって体液性因子の肺血管透過性ならびに肺血管抵抗に対する作用を検討してきた。ヘパリン加自家血液で潅流する雑種成犬の摘出肺標本を作成しエピネフリンとノルエピネフリンの肺血管透過性と肺血管抵抗の肺長軸上の分布について検討した。その結果、カテコラミンにより主として肺静脈側の血管収縮が生じたが、肺血管透過性の指標には変化がみられなかった。一方、肺重量は肺毛細管圧の上昇にもかかわらず減少することを認めた。しかしながら肺血管透過性の評価はカテコラミン投与後30分に測定したものでこれ以前の投与直後の血管透過性については不明であった。そこで、血管収縮物質であるトロンボキサンA2の合成安定物質を投与することさらには静脈側のリザーバーの高さを挙上させることによりカテコミラン投与時と同程度に肺毛細管圧を上昇させた際の肺重量変化を比較検討した。その結果、肺重量の増加は静脈側リザーバーを挙上した時が最も大きく、次にトロンボキサンA2投与時が続きカテコミラン投与肺は最も小さい成績が得られカテコラミン投与後早期においても肺血管透過性の亢進はみられないことが推察された。一方、トロンボキサンA2は濾過係数ならびにisogravimetric capillary pressureが変化しなかったことから肺血管透過性を亢進させないことが示された。以上の成績を総合的に評価すると外因性に投与したカテコラミンでは肺血管透過性は亢進しないと結論できる。
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