研究課題/領域番号 |
05454421
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
荒井 俊之 京都大学, 医学部, 助教授 (80175950)
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研究分担者 |
森 健次郎 京都大学, 医学部, 教授 (20025620)
中尾 慎一 京都大学, 医学部, 助手 (10207714)
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キーワード | ネオプテリン / ビオプテリン / 活性酸素 / HPX-XOD反応系 / 好中球刺激系 / ネオプテリン抗体 / 砂ネズミ虚血脳切片 / 免疫組織化学的手法 |
研究概要 |
昨年度の研究により、活性酸素消去薬であるネオプテリンの全身投与が砂ネズミの脳虚血モデルにおいて神経細胞の障害を著しく軽減したことから、今年度はこのネオプテリン(NP)ならびに類似物質であるビオプテリン(BP)の作用機序について研究ならびに実験を行った。 1.ヒポキサンチン(HPX)-キサンチンオキシダーゼ(XOD)反応系 NPH-4ならびにBPH-4(NPならびにBPの還元型)は、ともに数mMの濃度で、HPX-XOD反応系で発生する活性酸素を消去した。一方、酸化型であるNPならびにBPは、発生した活性酸素の消去は行わないが、活性酸素の発生を阻害する可能性が示唆された。 2.好中球刺激系 NPH-4ならびにBPH-4(NPならびにBPの還元型)は、ともに数mMの濃度で、好中球を刺激剤(PMA)で刺激した時に発生する大量の活性酸素を消去した。一方、酸化型であるNPならびにBPは、HPX-XOD反応系で見られたと同様に、発生した活性酸素の消去は行わないが、活性酸素の発生を阻害する可能性が示唆された。 3.NP抗体の作成と砂ネズミ虚血脳切片の染色 NPは内因性物質であるため、脳虚血時には防御因子として組織に発現している可能性がある。そこで、家兎にNPを投与することでNPの抗体を作成し、この抗体による砂ネズミ虚血脳切片の染色を試みた。NPの抗体は、家兎にNPを投与後数週間で作成できた。しかし、この抗体による砂ネズミ虚血脳切片の染色は、現時点では成功していない。虚血時の組織にNPの発現がないのか、技術的な問題で染色できないのかは検討中である。
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