研究概要 |
1.アナフィラキシ-発症時の気管支痙攣は,発症5分で最大の反応を呈し,その発症機序としては主に気管平滑筋の収縮によることが明らかにできた。アナフィラキシ-による気管支痙攣の治療として,吸入麻酔薬,セボフルレンおよびイソフルレンの,有効性を確認した。(Anesthesiology81:1230-1234,1994) 2.IgE介在性アナフィラキシ-発症時の左室収縮能および左室拡張能の検討をおこなった。アナフィラキシ-時の左室収縮能は比較的よく保たれており,また左室拡張能はほとんど傷害されないことが明らかにできた。IgE介在性アナフィラキシ-発症時の早期の心循環抑制は主に末梢血管拡張による循環血液量の減少による二次的な反応であることが確認できた。(Acta Anaesthesiol Scand,1995,in print) 3.アナフィラキシ-発症時には一酸化窒素の産生がみられ,一酸化窒素の発生が深くアナフィラキシ-の病態に関与していることが明らかにできた。アナフィラキシ-発症時の一酸化窒素の関与は,アナフィラキシ-時の生存率の検討,血圧の検討により2人の研究者により推測されていたが,われわれはアナフィラキシ-発症時にin vivoで一酸化窒素の発生量を測定し,その関与を明らかにした。(Shock 2:381-384,1994)
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