研究概要 |
性分化異常や男性不妊症をはじめとする精巣機能異常の病態を解明するため,以下の検討を行なった。 1.Azoospermy factor gene(AZF)のcloning Y染色体長腕に存在すると推測されていた精子形成関連遺伝子AZFのcloningはほぼ完了し、現在塩基配列を決定中である. 2.性分化異常および精巣機能異常症例の末梢リンパ球遺伝子分析 XXmale等の性分化異常症例でSRY遺伝子の有無をPCR法で検討,複雑な病態を示した性分化異常症例も正確に診断しえた。また精巣性女性化症および男性不妊症患者のAR遺伝子の異常の有無をPCR-SSCP法にて検討、精巣性女性化症4例全例の点突然変異を検出した.また20例の特発性男性不妊症中2例でもAR遺伝子の点突然変異を発見した. 3.精巣機能異常症例精巣組織での遺伝子発現の分析 特発性男性不妊症患者より得た生検精巣組織中のFSH mRNA,AR mRNAの発現を検討し,FSH mRNA,AR mRNAの発現を認められない症例をそれぞれ数例認めた.
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