研究課題/領域番号 |
05454435
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
秋元 成太 日本医科大学, 医学部, 教授 (50089752)
|
研究分担者 |
寺島 保典 日本医科大学, 医学部, 講師 (80207480)
鈴木 聡 日本医科大学, 医学部, 助手 (70246940)
|
キーワード | 遺伝子治療 / 腎細胞癌 / 自殺遺伝子 / 抗腫瘍免疫 / 組換えウイルスベクター |
研究概要 |
1)遺伝子導入vectorについて In vivo遺伝子導入のために、HSV-tk遺伝子を持つAdenoviral vectorを構築した。この、vectorによりIn vitroで非常に効率よくHSV-tk遺伝子を導入することが可能であった。また、retroviral vectorについても遠心・濃縮により約10倍以上濃縮する方法を確立した。 2)癌ワクチン効果について In vitroでHSV-tk遺伝子を導入したマウス腎細胞癌RENCA/TKを皮下に接種し治療した群では、親株のRENCA cellを再接種したが全例に腫瘍形成の拒絶が認められた。細胞免疫学的に検討したところ治療したマウスにはCD8+のRENCA特異的なCTLが誘導されていることが明らかになった。さらにHSV-tk導入細胞にGCVを作用させるとCD8+ CTLの標的分子がであるMHC Class I分子の発現が腫瘍細胞表面で約4〜5倍に増加することが示され、この治療におけるCTLを介した全身的な抗腫瘍免疫の誘導の原因となっている可能性が示唆された。 HSV-tk/GCVによる癌の遺伝子治療は脳腫瘍を中心に既に臨床で検討されている。本研究において、この治療法の1)直接的殺細胞効果 2)bystander effectに加え全身的な抗腫瘍免疫を誘導する効果が示されたことは、再発の予防や微少転移巣に対する遠隔的な治療効果の可能性を示唆しており臨床的にも極めて意義の大きいものである。
|