研究課題/領域番号 |
05454438
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
伊吹 令人 群馬大学, 医学部, 教授 (40008256)
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研究分担者 |
峯岸 敬 群馬大学, 医学部, 講師 (00209842)
長谷川 喜久 群馬大学, 医学部, 講師 (40092001)
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キーワード | FSHレセプター / アクチビン / アクチビンレセプター / LH / hCGレセプター / CAMP / mRNA / フォリスタチン |
研究概要 |
卵胞内の局所生理活性物質の作用については、我々は特にアクチビンのゴナドトロピンレセプターの発現に対する影響を検討した。ラットの培養顆粒膜細胞を用いアクチビンの単独投与によりFSHレセプターのmRNAと蛋白発現レベルが平行して誘導され、これは現在まで報告されているcAMPの作用より強力であった。更にアクチビンのレセプターについては、タイプ2レセプターをラット卵巣のcDNAライブラリーよりクローニングした。これをプローベとして用いて同様の顆粒膜細胞からアクチビンレセプターのmRNAバンドを確認し、アクチビンが特異的レセプターを介しての作用である事を示した。 アクチビンはLH/hCGのレセプターに関してはアクチビン単独では、作用を持たないがFSHと共同的に作用して誘導する。この作用機序の解明のためアクチビンを作用させた時の細胞内cAMPの測定を行いアクチビンがcAMPを介さずに作用していることを明らかにした。更にLH/hCGレセプターmRNAの半減期に対する作用を検討するとFSH単独より有意にmRNAの半減期を延長する事が示されたがこのメカニズムについては今後の問題である。 雌雄のラットの生殖線のmRNAを抽出し性成熟課程とアクチビンレセプターのtranscriptsの関連を検討すると、雄では成熟に伴う精子形成開始の頃に一致して3Kbのバンドが急増しアクチビンが精子形成に関与している可能性が示唆された。1方雌に於いては6Kbのバンドが卵胞成熟に伴い上昇する結果を得たので、雌においては、アクチビンが黄体の機能を修飾する事が推測されるがその際に介在するレセプターの種類は雄のそれと異なっている事が考えられた。 現在は、卵胞液内に存在しアクチビンと特異的に結合しその作用を抑制するフォリスタチンの作用メカニズムとその調節に付き実験を継続している。
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